温活して冬養生

 木の葉が色づいたと思ったら、落ち葉に変わり、気がつけば12月です。

コロナに振り回された2020年も残すところ1ヶ月を切ってしまいました。


今年の秋はわりと暖かくて過ごしやすかったけれど、

ここのところ朝晩はすっかり冷え込み、いよいよ本格的な冬到来です。


日本の冬は気候的に寒さ(寒邪)とともに、

乾燥(燥邪)した日と湿気(湿邪)のある日が混在しているのが特徴です。


秋から引き続いた乾燥は、窓を締め切りエアコンをかけることで更に酷くなり、

鼻や喉、肌に影響を及ぼします。

鼻喉、皮膚には、外邪や細菌やウイルスなどの侵入を防ぐバリアー的役割があるのですが、

乾燥して潤いがなくなってしまうと、外邪の侵入を容易に許してしまい、

風邪や呼吸器系の症状を引き起こします。


また、冷え(寒邪)は湿気をとても取り込みやすいので、

雨や雪が降ると途端に空気は冷たい湿気に変わり、

身体に取り付いて深々と冷やしてしまいます。

身体にこびりついた冷えは、全身の機能を低下させて、免疫力も落としてしまうので、

侵入した外邪に抗うことができません。


コロナウイルスは東京に限らず全国的にも急増して、第3波がきたと騒がれています。

これからインフルエンザも増えてくる季節なので、なお一層注意が必要です。

それらに対してさまざまな情報や憶測が飛び交い、

何を信じてどうすればいいのか本当に迷ってしまいます。


手洗いうがい、マスクの徹底はこれまで以上に大切なのはもちろんですが、

コロナやインフルエンザに限らず、冬の風邪を引き起こすウイルスや細菌に触れても、

それらに負けない身体を作ることが大切です。


身体を絶対に冷やさないこと


寒さ(寒邪)、乾燥(燥邪)、湿気(湿邪)のトリプルパンチから身を守るために

一番大切なことは「身体を冷やさない」ということです。

体温が1℃違うと免疫力は20%変動すると言われています。


理想の平熱は36.0~36.5℃ですが、最近は35℃台の低体温の人も多くありません。

体質的に低い人もいますが、ストレスや睡眠不足、日常的な冷飲物の摂取は

低体温症の原因になります。


免疫力を高めるには、まず冷たいものは厳禁。

乾燥から身を守るためにも水を飲むことは必須ですが、

常温の水すらも体温との温度差で冷えを作ってしまうので、氷入りなんてもってのほか。

日常的に氷を入れてお茶や水を飲む人は、まずそれをやめることから始めましょう。


できればお白湯をオススメします。特に朝の起きがけと夜寝る前に飲むと、

胃腸をあたため優しく労ってくれますから、穏やかに眠りと覚醒を促してくれます。

お茶やコーヒーなどでも温かいものを。カフェインは温かいものでも利尿作用が強く、

お腹を冷やしがちなので、冷え性の人はノンカフェインのものを。

朝食などにも温かい汁物を加えて、まず、身体の内側から温めていきましょう。


外気に肌を晒さない


冬は身体も、硬く門戸(毛穴)を閉めて、内へ内へ(エネルギーを)こもる季節です。

外気と関わりやすい手足首、首元をしっかり守って、外気に触れないようにしましょう。

首元や背中は特に風邪や寒気が一番入りやすいところですから、

薄ら寒く感じる時は、使い捨てカイロやホットタオルで温めて。

ペットボトルにお湯を入れて温めるのも効果的です。


また、意外と見落としがちなのが頭。

脳には全体の20%の血が分配されていて、血の巡りにとても影響されるところです。

この時期、濡れた髪のままでいたり、自転車で冷気に当たりすぎて冷やしてしまうと、

頭痛、頭の神経痛になりやすいので、シャンプーの後はドライヤーでちゃんと乾かし、

外に出る時は帽子を被って冷えるのを防ぎましょう。

高血圧でない方で、朝頭が痛くなる方は、明方の冷え込みが原因のように感じるので、

寝るときにも薄手の帽子を被るといいかと思います。


体温を上げるためには


でも、元々体温が低い人はどうしたら体温をあげることができるでしょうか。

体温を下げる要因は身体の冷えの他に、筋肉量の低下、

ホルモンバランスの崩れなどが挙げられます。


身体をめぐる血は身体を栄養を各器官に送り、それを使って各器官は活動するのですが、

その時に生じた熱も一緒に運ぶことにより、体温を保持しています。

そして運動して熱が上がれば汗によってその熱を排出し、

身体が冷えれば必要以上の熱が外に出ないように毛穴を閉めることで、

安定した体温をコントロールしていますが、活動が少ないと熱が生じないので、

どうしても体温を高めに保持することはできません。


筋肉も他の器官と同様に動くことで熱を発しますが、

それと同時に心臓を助けて血を末端まで流すポンプのような役目もあるので、

同じ姿勢でずっといると、筋肉が凝り固まって血流が悪くなってしまいます。

すると滞ったところにむくみをを生じます。

むくみは水ですから、身体に水まくらを巻いているのと同じことなので、

どんなに厚着をしてもなかなか身体を温めることができません。


人間は恒温動物ですから、体温を自分の力で保持することができますが、

それはあくまで自分で生じた熱をコントロールするのです。

生じた熱が少なければ、当然体温も低くなります。


体温を上げるために大切なのはまず、熱を作り流すこと。

つまり身体を動かすことです。

これから冬本番。身体は熱が奪われないようにキュッと締まっています。

筋肉には力が常に入っていますから、温かい部屋で筋肉をほぐしてあげましょう。

冬はエネルギーを内に蓄える時期ですから、過度な運動は要りません。

筋肉をほぐし、ポンプの役割を充分にできる程度が適量です。


温かい部屋でのストレッチやヨガ、体操などは、呼吸も合わせて意識すると、

気血とも滑らかに流すことができるのでオススメです。

お風呂上がりのセルフマッサージもいいですね。


また、ウォーキングは、冷えやすい足元への血流を促進するのでオススメですが、

朝晩の冷えは大敵ですから、陽の光に陽気をもらえる昼間に。


体温を上げるためには朝の温活を


寝起きはどうしても体温も低めですから、まず温かい白湯を飲むのがオススメ。

優しく胃腸を起こして、身体の中から温めてくれます。

白湯はどうも・・・という人は温かいスープをどうぞ。

カップスープでも構いません。優しい味のものをゆっくり入れてあげてください。


寝起きのお茶やコーヒーは、カフェインのないものを。

カフェインは寝起きの胃腸には刺激が強く、利尿作用が強いので

熱を逃がしてしまいますから、朝食抜きでコーヒーだけというのは避けてくださいね。


そして深呼吸をして身体の換気をしましょう。

胸に残っている古い空気を吐き出して、綺麗な空気を胸いっぱい吸い込んだら、

気血が全身に巡り、元気に活動できますよ。





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