梅雨の時期の梅しごと


早くから梅雨の声を聞いていたのに、なかなか入らず、

今週ようやく東京も入梅です。

「梅雨」とは、文字通り梅が熟す時期に来る雨期という意味で、

この時期スーパや八百屋さんには青梅や黄色く熟した梅が並び、

甘酸っぱい香りを漂わせています。

最近は、赤紫の綺麗な梅もでまわっていて初夏の華やかさに色挿しています。

私も先日、たくさんの梅をいただいて今年の「梅しごと」をしました。

ただいま梅酒や梅ジュース、はちみつ梅干しを仕込み中。

梅酒や梅干しは出来上がるまでに時間が少しかかりますが、

梅ジュースは早ければ10日くらいで飲めます。

できれば1〜3ヶ月ゆっくり熟成させてあげると味わいも深くなりますが、

漬けて10日くらいの出来上がったばかりのジュースもさわやかで私は好きです。


梅は昔から「三毒を断つ」と言われます。

  食の毒

  血の毒(滞ってドロドロした血)

  水の毒(余分な水の停滞)


梅の酸味は汗の掻き過ぎを抑え、身体に潤いを生み出します。

また梅には解毒作用があり、菌を抑え、身体に溜まった毒を排出するのを助けたり、

余分な水や老廃物を流して血を巡らせ、「心」の疲労を回復させてくれます。

その他、傷ついた粘膜を収斂させてくれるので、荒れた胃腸を修復したり、

鼻や喉に張り付いた痰を取り除き炎症を収めるので、

昔から鼻や咳き止めや、風邪薬、お腹の薬など広く用いられてきました。


梅は殺菌だけでなく、生臭さも消してくれるので、

韓国では、キムチやチゲ鍋、魚や肉を漬けるタレなどを作る時に使う万能調味料として、

この時期たくさんの梅を漬けます。

日本では梅干しを叩いて薬味として載せたり、イワシと一緒に煮たりしますよね。

梅は身体の中と食品の「毒消し」をすると共に、風味をつける薬味になったり、

この時期には欠かせない食材です。


梅干しは酸っぱすぎて苦手という人も多いでしょうし、

自分で漬けようとするには、やはり敷居が少し高いようです。

でも、梅ジュースは砂糖や蜂蜜などと漬けるだけで、簡単にすぐできますから

今年はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?



「梅ジュースの作り方」

作りやすい量

青梅(黄色がかっていても大丈夫) 500g

氷砂糖(はちみつでも、きび砂糖でも) 500g

焼酎(できれば35度のもの) 50ml



1、青梅は水でやさしく洗い、ふきんなどで水をしっかり拭き取り

      ヘタを楊枝などでとってジップロックに入れる。

2、1を冷凍庫に最低24時間以上入れて完全に冷凍する。

3、熱湯消毒もしくは焼酎(分量外)で消毒した容器を用意する。

4、焼酎に冷凍した梅をくぐらせて、梅、砂糖、梅・・・と交互に入れ、

      最後にしょうちゅうをまわしかけて蓋をする。

5、1日1回容器を回して砂糖が溶けるのを助ける。



○青梅はこの時期だともう黄色っぽいものが多いかもしれません。

 でも、黄色っぽいものでも大丈夫。酸味が少なくて飲みやすいです。

 ただ、傷つきやすいので青梅より優しく扱ってください。


○梅によく切り込みを入れますが、冷凍して作る場合は切り込み不要です。


○甘さが気になる人は砂糖の分量を70%くらい減らしてもおいしいです。

○砂糖は、氷砂糖がいちばん癖がなく美味しく漬かりますが、

○砂糖はを大量に使うのが気になる方は、はちみつやきび砂糖でも美味しいです。

 オリゴ糖などを使う方法もあります。私は今年アガペシロップとはちみつでも漬けました。

 はちみつだけよりも甘みがあっさりした感じになりますが、

 はちみつで漬ける方は、酸味が強くなりやすいので時々味を確認して調節してください。

 

○焼酎は漬けているうちにアルコールが完全に飛んでしまうので、子供も安心して飲めます。

 容器は瓶がおススメですが、なければジップロックでも代用できます。

 その場合は、溢れないように二重にして、バットに乗せて保存しましょう。


○保存場所は冷暗所で。カビや発酵し過ぎるのが心配な方は冷蔵庫で。


○梅の種にはアミグダリンという物質があり、

 未成熟なものをそのまま食べると食中毒を起こしますが、

 加熱したり、砂糖や塩などで漬けてあげると消滅します。

 でも発酵する前に食べてしまうとお腹を壊したりする恐れがありますから、

                                                           しっかり砂糖が溶けて、梅の色が変わるまではじっと待っててくださいね。


もしあれば、乾燥棗を3、4こ入れてあげると、その毒素や発酵ガスを吸ってくれます。

漬けた棗は食べないこと。

もしなければ時々蓋を開けて発酵するときに出るガスを抜いてあげるといいですよ。                                                                                                                              


冷暗所でずっと保存しても大丈夫ですが、発酵が進むとピリピリするので、 

出来上がったら冷蔵庫で保存するのをオススメします。

発酵のピリピリが嫌な方は、出来上がったジュースを鍋に入れて弱火で一煮立ちさせ、

上に上がった泡を取り除き、あら熱を取ってから冷蔵庫へ。


実はジュースから取り出して梅ジャムにしたり、

ジュースと煮て甘露煮にして食べると美味しいです。

黄色い梅ではカリカリになりませんが、青梅はカリカリしています。

カリカリ梅が好きな人は、火を入れないでジュースから取り出して保存してください。

梅ジュースを調味料として使うときは、チゲ鍋や煮物などにひと垂らしかけてみて下さい。

またいつもの焼き肉のタレに少しだけ梅ジュースを入れると爽やかになります。


いろいろ使って、美味しいレパートリーを広げて下さい。









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