夏から秋への養生
お久しぶりです。
長い梅雨の後暑い夏がやってきて、気がつけば立秋も過ぎてしまいました。
が、まだまだ残暑が厳しそうです。
今年の夏は酷暑に加えて天候不順の異常気象で、身体には本当に過酷な状況が続いています。
ワクチン接種や緊急事態宣言下が続いているにもかかわらず、
相変わらずコロナウイルスは猛威を振るっている状況で
私たちは自分の身体を守るために、今まで以上にきちんと自分の身体の声を聞いて、
健康を管理することが必要になっています。
厳しい暑さが続いていても、暦の上ではもう秋。
日差しは確実に傾き始め、吹く風も真夏のものとは変わって来ました。
それと共に私たちの身体も少しずつ秋の身体に切り替わろうとしています。
意識もそろそろ秋へ向かう準備を始めましょう。
☆身体を防御する「衛気」
私たちの身体には、常に「気」「血」「水」と言うものが流れています。
「気」は身体を動かすための生命エネルギー、
「血」は全身を巡り栄養を与える血液や栄養分を言い、
「水」は身体を潤し老廃物を輩出する血以外の体液のことを言います。
この3つが全身を巡り養うことで、生命活動を行っています。
そのうち「気」は、流れている場所によりその役割が違っていて、
身体の一番外側を覆うように流れているものを「衛気」といいます。
皮膚や鼻、気管支などの粘膜を強化したり、毛穴の開閉をコントロールして
「衛気」はウイルスや細菌などの異物や、冷えや暑さなど外的刺激(外邪)が体内に侵入することを防いだり、
毛穴の開閉をコントロールして体温を保持して、身体のバリアのような役目をしています。
☆夏から秋への移り変わりは、身体の転換期
私たちの身体は、夏はエネルギーを放出して活発な活動を促し、
身体に熱が溜まれば汗と共に放出して、エネルギーのベクトルを内から外に向けますが、
秋の足音を聞くと、やがて来る冬に備えるために身体を締めてエネルギーを内側に貯めようと
今度はエネルギーのベクトルを外から内にシフトチェンジします。
この時一番忙しいのが「衛気」です。
季節の変わり目は気候が変わりやすいので、その度にエネルギーを放出したり、
逃がさないようにしたり、切り替えに大忙し。
変化に対応してスムーズに動けないと、その隙をついて容易に外邪の侵入を許してしまいます。
季節の変わり目は、身体もまだ切り替え始めたばかりなので、早く順応するために
特に「衛気」の力をつけることが大切です。
☆衛気の力を強めるにはまず「脾」を養う。
「気」というのは、基本的に飲食物から作られます。
胃腸がが弱っていれば、気を生成できず「衛気」も作れません。
まずは胃腸を担っている脾を整えて元気にしましょう。
夏の終わりは雨も多く湿気も多くなりますから、どうしても胃腸もむくみがち。
こんな時に身体を冷やしてしまうと、湿気と冷えがくっついて冷えがこびりついてしまいます。
特に湿気や過剰な水分が苦手な胃腸=脾は、この時期かなりお疲れです。
ですから、立秋を過ぎたら冷たいものは控えましょう。
暑くてもお盆を過ぎたら冷たいものを飲んだり食べたりしないこと。
甘くて冷たいものは常習性があるので、習慣化してしまうと、
この後秋が来た時に、秋の大風邪を引き起こしたりアレルギーが大暴れしたりします。
どうしても食べたい時は、お楽しみ程度にして、
その後温かいものを飲んで、お腹の冷えを流してしまいましょう。
また、朝7〜9時は胃、9〜11時が脾がよく動く時間です。
朝ごはんはとても大切です。消化の良い温かいものを食べて脾胃を養いましょう。
朝忙しくても、温かい紅茶かカップスープを飲むだけで1日が違います。
☆この時期に脾を養うオススメの食材は「ピーマン」と「桃」
「ピーマン」は胃腸の調子を整え、気や血の巡りを良くします。
夏野菜には珍しく身体を温める食材なので、
お腹を冷やしたり、クーラー病の人には特にオススメです。
「桃」は、気や血を補い疲労や夏バテを緩和してくれます。
また、身体を潤し、喉のほてりや寝汗を緩和してくれるのに、
果物には珍しく温性で、胃腸に優しく、身体が弱っている人の滋養にオススメです。
☆衛気を巡らせるのは「肺」の役目
脾で作られた気を「衛気」として体表を覆い巡らせるのは「肺」の役目です。
「肺」は東洋医学では呼吸器系全般を指します。
皮膚は毛穴の開閉によって呼吸していますから、「肺」の管轄下となっています。
脾で作られた気は、「肺」の呼吸によって体表に巡らし「衛気」を作ります。
丈夫で強固な「衛気」を巡らせるには、「肺」の働きを整えることが大切です。
☆「肺」にオススメの食材は、白い食材
白い食材は肺を潤すと言われていて、魚介類のイカやホタテなどや、
野菜なら大根、レンコン、サトイモ、山芋。
果物はなんといっても梨がオススメです。
特に喉や鼻などがイガイガむずむずしてきたら、梨とれんこんを。
どちらも喉や鼻の粘膜を潤し、炎症を鎮めて咳や鼻水を抑えます。
☆衛気を鍛えるために
暑さが厳しかったり、急に冷えたりすると、「衛気」も不安定になりがちです。
そこで急な変化にも対応できる簡単なトレーニングをやってみてはいかがですか?
まず、お風呂に入りましょう。カラスの行水のように短くではなく、ぬるめのお湯にゆったり入りましょう。
湯船に入って深呼吸すると筋肉も皮膚も緩み、身体が温まると発汗して身体の中にある冷えも一緒に排出します。
お風呂は気持ちがいいけれど体力も消耗しますから、長湯は気をつけて。
そして、お風呂から出る時には、手足と顔に冷水をさっとかけてあげましょう。
お風呂で緩んでいた毛穴がキュッと引き締まり、
毎日お風呂上がりに続けてあげると、急激な変化を身体が覚えて、
気候の変化にもスムーズに対応できるようになります。
要らないものは素早く排出し、必要なものは外に逃さず、外からの刺激(外邪)の侵入を許さない。
完璧な防御ができる「衛気」になるように、鍛えてあげましょう。
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