夏の汗と養生


暑い夏がやって来ました。

今年は去年より楽なのかな?という楽観的な予測は打ち破られ

今年も例年にもれず暑くなりそうです。

連日の30℃を大きく超えた気温で汗はだくだく。

もうすでに息切れしそうです。


⭐︎夏バテとは?

外の気温が上がり、体の中の熱がこもってくると、

人は体温を保持するために汗をかいて余分な熱を放出しますが、

こんなに暑いといくら放散しても追いつかなくて、大汗をかきます。

これが続くと体力をとても消耗して「夏バテ」になります。


一方、冷房の効いた部屋と暑い外を出たり入ったりすると、

その気温差に自律神経が追いつかず、体温調節が狂ってしまい。

体を消耗させてしまいます。


また暑いから冷房の効いた部屋に篭りっきりでいると、体調を崩します。

体が冷えると、人の体は体温を保持しようと

体の奥にあるエネルギーを使い熱を作り出します。

そのため涼しい部屋にいるにもかかわらず熱く感じます。

すると、その熱を放散しようとまた汗を出します。

でも実際は体は冷えていますから、冷たくてベタベタとした汗がまとわりつき

どんどん体を冷やしてしまいます。

この2つはどちらも「冷房病」と言われるもので、自律神経の崩れによるものです。


暑さの中で我慢しても、冷房の中にいてもバテてしまうのなら

どうしたらいいのでしょう。夏の過ごし方は実はとても難しいです。


⭐︎汗の働き

暑さを感じると私たちは汗をかきます。

汗は「体温調節」のために血液中から滲み出されて出てくるものですから、

水分だけでなく塩分などの「必要」なものも出て来てしまいます。

本来は汗腺を通るときに、「必要なもの」は再吸収されてサラッとした汗になるのですが、

普段汗をかかない人や年齢とともに汗腺の作用が低下して、

「必要なもの」を多く排出して、ベタベタの汗になります。

水分以外の成分がたくさん放出された汗はベタベタとまとわりついて乾きにくく、

本来の熱の放散ができず、逆に体に熱をこもらせやすくしてしまいます。


普段冷房の中にいることが多く、運動などもやってない人は、

特にこのベタベタとした汗をかきやすいので、水分補給だけだと体液を薄めることになり

帰って具合が悪くなります。


⭐︎東洋医学的に汗をみると

東洋医学で、「汗は心液なり」と言われ、

汗をかきすぎると「心」の機能に負担をかけるので体力を消耗してしまうと言われます。

「心」は主に心臓や血管などの循環器系の機能を指します。

また付随するものとして脳を司っているので、

汗のかき過ぎは心身ともに消耗し、倦怠感や無気力感を強く感じます。

また、動悸や呼吸が浅くなったりすることもあるので、無理は禁物です。

そして冷房などによって体のバランスが崩れると、

さまざまな汗の異常を引き起こします。


*ダラダラ汗が出る人


常に汗が出て止まらない人は体のエネルギー(気)が足りません。

汗は毛穴を開閉することにより出したり止めたりしていますが、

毛を閉じることができず開けっぱなしになっているので汗を止めることができません。

そしてそれは汗だけではなく、大事なエネルギー(気)も漏らし、

外から風邪などの邪気に侵入を許してしまいます。

なのでこういう人は風邪をひきやすく、体が乾燥しやすいです。

体を冷やさず、直接肌に風が当たらないようにして、こまめに水分を補給してください。

このとき、冷たい水は厳禁。あたたかい麦茶や、白湯を飲んでください。

冷たい物を飲めば飲むほど汗が出てしまいます。


*ベタベタとした汗が出て。風が当たると寒さを感じる人

こういう人は、暴飲暴食をしてお腹が弱っている人に多いです。

また、更年期などでホルモンバランスが崩れている人や、

強いストレスを感じている人にもみられます。

ベタベタ汗は肌に絡み付いてなかなか乾かないので、

暑い時は暑さがこもり、

クーラーなどに当たると体表から体を冷やしてしまいますから、

風に当たると寒さを感じてしまうのです。

背中とお腹にタオルやガーゼを当てて汗をかいたらこまめに取り替え、

汗が肌に残らないようにしましょう。

そして、普通に汗をかく人よりもミネラル分が多く放出してしまうので、

OS1やスポーツ飲料(23倍に薄めて)などをちこちょこ飲んで補給しましょう。


*夜、寝汗がひどい人

体の中には、体の熱を汗で放出する他に、

体の中でも体を落ち着かせて体温保持をさせる作用がありますが、

その作用が弱り、体の中に熱がこもってしまっている人です。

これは、日焼けした人だけでなく、ずっと冷房の中にいる人もこれにあたります。

例えば、氷を触った時に、しばらくすると手が熱く感じることがありますよね。

体は冷えると熱を生じ、冷えたところを温めようとします。

これと同じように体が冷えすぎると、体の中に熱が生じます。これを虚熱と言います。

虚熱は、体の奥のエネルギーを使い温めるので、体力をとても消耗します。

夜の睡眠は、昼間の活動で興奮した体を鎮め、メンテナンスをする時間なのに、

汗をかくことでミネラルやエネルギーが流れ出てしまい、

寝ても寝ても疲れが取れない状態になってしまいます。

この場合は、熱い風呂にさっと入り、出る時に冷たい水を手足と顔にかけてください。

毛穴の開閉が正しくできるためのトレーニングになります。

そして体がとても疲れているので、無理はせずたっぷり睡眠をとりましょう。

疲れたら昼寝をするのもいいです。

体のバランスを取り戻すには睡眠が1番大切です。

そして水分をゆっくり摂りましょう。

枕元に水を用意しておいて、目が覚めたときなどに口に含むのもいいです。

消化の良い物を少しずつ食べて、体を立て直しましょう。



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