こむら返りと湿気

相変わらず暑かったり寒かったり、寒暖差が激しい陽気が続いていますが、
もう来週は7月。令和初の台風もやってきて、季節は確実に夏に向かっています。
今年の梅雨は、時期的には例年通りでしたが、毎日天気の移り変わりが激しく、
雨の振り方も昔とずいぶん変わって、しとしと長雨から、亜熱帯地方のスコールのようなゲリラ豪雨が増えて、「梅雨」の概念も変わってしまいそうです。
これも温暖化で日本が亜熱帯になりつつあるからでしょうか?
目まぐるしく変化する環境に柔軟に対応できるような身体作りを考えないといけませんね。

さて、ここのところ「よく足がつるんです。」というお話をよく聞きます。
「足も冷やさないようにしているし、お水も飲んでいるのに夜中につってしまうんです。」とおっしゃる方が結構多くて。

そもそもこむら返りはなぜ起こるのでしょう?
原因は筋肉疲労、冷え、水不足、ミネラルバランスの崩れと言われていますが、
これらどれかというのではなく、1つの原因が起これば複合的に起こります。

筋肉疲労は、運動や作業による疲労だけではありません。
体力減退による筋肉の衰えや、同じ姿勢で筋肉を固めてしまっても同じように起こります。
筋肉は動かすことで気血を巡らせるポンプのような働きがあります。
動きにくくなってしまった筋肉は気血を滞らせ、老廃物を溜めてしまいさらに流れを阻害し、
運動による熱が発生しないので冷えを自ら作ってしまいます。

さらにこの時期は、湿が多いので容易に体内に侵入を許してしまいます。
湿は「水」で「冷え」の性質であることは前回お話ししましたね。
そして湿はお腹の中が大好きですが、お腹の中は湿がとても苦手です。
うっかり溜めてしまうと、一気にお腹の調子が悪くなりますから、
消化によって発生する熱を運ぶこともできずに体を冷やす結果になります。

要するに、この時期は身体の中から冷えが発生してしまうのです。
ですから、冬の養生のようにただ「水分補給と温め」では、効き目がないのです。

まず、体の中に余分な水が溜まっていますから、過度な水分補給はむくみの原因に水分補給には注意が必要です。

汗やおしっこが充分に出ているか。
でていなければ、利尿作用があり、ミネラルが豊富な麦茶などを飲むのもいいでしょう。
ただし、大麦は身体をとても冷やすので、温かいものを飲むのがオススメです。
水出し麦茶でなく、煮出し麦茶を作ってはいかがでしょうか。
すこし手間がかかりますが、煮出した麦茶の方が香りも味があっておいしいですよ。

でもこの時期1番大切なことは、水分補給よりも水分排出。
身体は、これから夏に向かって活動期ですから、だるいからといって休んでいると、
身体の中に冷えを溜め込んだまま秋に持ち越して、悪さを引き起こします。
だるさを感じている人こそ、筋肉を動かしてこびりついている湿を体の中から追い出しましょう。

ラジオ体操やストレッチで身体をほぐし、ウォーキングで汗を流すのがいいのですけど、
このじきはなかなか外に出るのも大変ですから、代わりに家の掃除で汗を流しましょうか。
床の拭き掃除は肩まわりをよく動かすし、おススメな動作なのですが、
そんな時間も気力がないという人は、硬くなった筋肉だけでもほぐしてあげましょう。


仰向けになって膝を立たせ、片方のふくらはぎを反対側の膝の上でしごくように動かせば、
テレビを見ながらでもほぐすことができますよね。
それも大変なら、ふくらはぎをさするだけでも効果があります。
目安としては暖かく感じるところまで。

また、最近はドラックストアでもかんたんに手に入る「お灸」があるので、
それを使ってお腹にお灸をするのも効果的です。


おへそとみぞおちの真ん中にある「中脘(ちゅうかん)」
おへそから指4本下にある「関元(かんげん)」
にお灸をしてあげると、胃腸の働きを高め、全身に気血を巡らせます。


また、足の内くるぶしから上に指4本分のところにある「三陰交(さんいんこう)」は、
お灸をすると、足の冷えをとるだけでなく、滞った末梢を流して身体中を温めます。

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