水と上手な付き合い方

桜の季節が駆け足で終わり、街路樹のなハナミズキが花をつけ始めました。
春から初夏へ、今年は特に足早に季節が移っていき、
街行く人もコートから薄いジャケットやシャツ姿に変わって来ました。
日毎に気温がコロコロ変わって、一体何を着たらいいのかわからないですよね。
この時期は、人や通年の常識などに惑わされず、
自分の体感温度に合わせて衣服を調節してくださいね。

さて、暑くなると汗も書きますし、何かと喉が渇きます。
前回もお話ししたように、身体の機能がガラリと変わる時期ですから、
身体の中の水分もいつもより消費が多くなりますから、水分補給はとても必要です。

最近は、水筒を常備してこまめに水分補給をする人を多く見かけます。
でも、ちょっと待って。その中身はなんですか?
水分を摂ることは大切ですが、なんでもいいわけでもなく、常時のめばいいわけでもありません。
間違った飲み方をすると逆に毒になることもあるんです。

私たちの身体は約60%が水分で、身体の中で様々なものが循環するために水は不可欠なものです。
ですから、不足すると体調に様々な不調をきたします。
また、摂りすぎるとうまく排出できずに体内に溜まり、これまた不具合を起こします。

1日のうちに身体から水分が出て行くのは、汗や尿、便など明確に見えるものから、
呼吸や肌から水蒸気として出て行くものと合わせて2.5ℓと言われていますから、
単純に同量の水分が必要となります。
ただし、食事で食べ物から摂り入れる水分を引くと、
飲料水として摂り入れる量は1~1.5ℓくらいがよいとされています。

ただし、これは単純に「水」を摂取する量です。
お茶やジュースなどの嗜好飲料に置き換えて飲むとなると別のお話になります。
飲み方によっては、身体に不具合を起こしますから注意が必要です。

ジュース類は糖分が多く含まれています。
ことに炭酸ジュースやスポーツドリンクに含まれる量は想像を絶する量で、
それを常時飲んでいたらどうなるかはカロリー的にだいたい予想がつきますよね。
しかもその糖分は白砂糖ですからとても身体を冷やします。加えて胃腸が水分を溜め込んで、
体内の粘膜をむくませてしまいます。
すると粘膜は熱を持つので、身体は欲しくないのに口が渇いて必要以上に水分が欲しくなる・・・
と言うように、水の悪循環が起こってしまします。

また、お茶は「利尿作用」があり、体内の水分を必要以上に排出してしまい、
飲んでいるのに脱水を引き起こすことがあります。
いくらミネラル補給ができると言っても、水代わりにゴクゴク飲むのはお勧めできません。
嗜好飲料は嗜好品として、食前食後や一息つく時に飲むのがいいのです。
水分補給は「水」を飲みましょう。
では「水」を上手に摂るにはどうしたらいいでしょう?

運動した時や汗をかいた時などに水分補給が必要なのは誰でもわかりますね。
日常生活の中では、「喉が渇いた」と思った時に飲めばいいのですが、
水を飲む習慣がない人や、高齢者はあまり喉の渇きを感じなかったりします。

身体は水が足りなくなると、体内の水分を守ろうとして排出をしなくなりますから、
そういう人は水分補給が必要になりやすい時に、習慣的に飲むのがいいかと思います。
私たちが水分補給が必要なのは、次のような時です。

まず、朝。私たちは寝ている時にたくさんの水分を失っています。
ですから寝起きに水分を補給することはとても大切です。
そして水を飲むことで内臓が刺激され排出を促します。人間の生理として、午前中は排泄の時間です。
ここでたくさん排泄できると、体内に溜まった老廃物や毒素をデトックスすることができるので、
綺麗な身体で1日を過ごすことができます。

昼間は、身体を動かすだけでなく、頭を動かすことにも水を必
要とします。
ひと息つくときや、疲れたと感じた時にお水を補給してあげましょう。
たくさん飲む必要はありません。
ひと口含んでゆっくり飲み込むと、身体に優しく水が巡ります。

夜は、お風呂の前にお水を飲むと、デトックスしやすいと言われています。
また、お風呂の後は汗をかいたり身体を温めることにより皮膚から蒸発するので、
やはりお水を補給しましょう。

逆に水分は充分取っているのに水分が欲しくなる人もいます。
そう言う方は、普段の食生活を振り返ってみましょう。
飲みたくないのに習慣化して飲んでたりしませんか?
脂っこいものや味の濃いものを好んで食べていませんか?

身体が必要としない水を摂ると、水は体内で余って悪さを起こします。
また、脂っこいものや味の濃いものを食べると、
体内のミネラルのバランスが狂い、それを修正するために多くの水を欲し、
やはり体内で水が余ってしまいます。
体内に水が余ってしまうと、東洋医学では水は「痰」「湿」と言うものに変わり、
身体のいろいろな部分にこびり着いていろいろ悪さをはたらきます。

すると、それらがこびり着いて流れを阻害するとそこに熱が生じ、
水が余っているのにまた水が欲しくなってしまうのです。
こう言う人たちは、水を欲するままに飲んではいけません。

身体がだるい、重い、冷えを強く感じる、汗をかかないもしくは異常にかく。
肌が水っぽく力がないなどの症状がある人は、水を取りすぎていないか振り返ってみてください。
適度な運動で代謝を促し、お腹を冷やさないように生活すると、
代謝がアップして上手に水が流れるようになります。
水は生きるために必要不可欠なものですが、多すぎても少なすぎても、身体に不調をきたします。
上手に摂取して、健やかな生活を送りましょう。



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