インフルエンザに罹ったら




ふぁぁ~。
吐く息が白いです。風も耳が痛くなるような冷たさ。
山間部や北の方は随分たくさん雪が降っているようですね。
東京は年が明けてから雨が全然降らないから、カラカラ。
マスクをしていないと、それだけで喉が痛くなりそうです。
寒さと感想は、冬風邪インフルエンザの大好きな環境。
年明けからじわじわと広がって、今爆発的に流行しています。

今年、予防接種を受けた人は国民の6割だと言うことですが、
6割打ってこの大流行。すごい勢いですね。
さて、今年のインフルエンザで、話題なのは新薬「ゾフルーザ」。
メディアでもいろいろ騒がれているようですが、イマイチ飲んでいいのか悪いのかわからない。
お医者さんの見解でも、「少し様子を見る」と言うのが多いのに、
実際は処方されることが多いようで、おっかなびっくり飲んだ方もいるでしょう。

そもそも、ゾフルーザってどんな薬なのでしょう?
今まで使われてきたタミフル、リレンザ、イナビルは、身体の細胞内で増殖したウイルスを
細胞の外に出てくるのを遮断してそれ以上の増殖を止める薬でした。
対してゾフルーザは、細胞内のウイルスが増殖するのを止めるそうです。
要するに、今までの薬よりも一歩手前の段階でウイルスを遮断するってこと。
だから、ウイルスも今までよりも少ないので、身体の中から早くウイルスがいなくなるってことですね。
その効果はタミフルの3分の1!
すごいですね。今まで罹ったら5日~7日は休まなければならなかったのが、
もしかして、2~3日で大丈夫になるかも!って言うのは、とてもありがたいですよね。

でも、症状が改善するまでの時間は実はタミフルと大差ないんですよね。
いくらウイルスが早く消えたとしても、実感として症状が消えなければあんまり効果がわからない。
しかもゾフルーザを飲んだ人の約1割(小児では2割以上)でウイルスに遺伝子変異が生じるとのこと。
つまり耐性ウイルスを作ってしまうってことです。
で、そうなった場合、薬がゾフルーザだけでなくタミフルなどの既存の薬も全て効きません。
そして、ウイルス検出期間がむしろ延長し,症状が改善する期間も長引くようです。
更に、そのウイルスが拡散されれば、感染した人は薬が効かないと言うことになります。

…1~2割となると結構高い確率ですね。
もうすでに、この耐性ウイルスが拡散されていて、同じAでも形が違うので、
1度罹った人ももう一度罹ってしまう事態も出ています。

また、新薬ですから、まだどんな副作用が出るのかよくわかっていません。
何も出てこないかもしれないけれど、何が出てくるかわからないと言うのはちょっと怖いですよね。
インフルエンザ薬とは関係がわからないとしながらも、
ゾフルーザも子供の異常行動については注意を促しています。

もし副作用が出た場合、タミフルなら副作用が出た時点で服用を中止すれば
薬は比較的早く身体の中からなくなりますが、ゾフルーザの場合1回で治療が終了すると言うことは、
つまり薬が長く体内にとどまり効果が持続するということで、
その結果、副作用も長引いてしまう可能性も十分に考えられますから、
1度で終わる治療は簡単ですが、メリットにもデミリットにもなりうります。

そもそも、新薬も含めて、インフルエンザ薬の効果は
「発熱などの症状を半日~1日程度早く直してくれる」というくらいの限定的なものです。
しかも使うだけ耐性ウイルスが増えるかもしれないのなら、
薬は飲まないで休んで治すという選択もいいのではないかなと思います。

熱は辛いですが、解熱剤はお勧めしません。
そもそも発熱とは、ウイルスによって出るものではなく、
ウイルスを撃退するための自己防衛反応です。
それを止めてしまえば、ウイルスと戦うことができません。
安易に薬で熱を下げても、ウイルスが体内に残っていれば、再び熱は上がります。
熱が上がったり下がったりするのは、身体に大変な負担です。
でも、小児や高齢者や体が弱っている人には、高熱を出すことで体力を消耗してしまうのも事実ですから、
その時その時の状況に合わせて、使い方を考えることが大切です。

もし使う場合は、、使う薬に注意が必要です。
インフルエンザのときの解熱剤は、 アセトアミノフェンという薬がよく使われます。
特に小児の場合はアセトアミノフェン以外はには、
インフルエンザ脳症などの副作用の危険があると言われているので、それ以外の薬は使わないこと。
よく処方されるのは「カコナール」「アセトアミノフェン」市販薬なら、「ノーシンAD」です。

よく使われる「ロキソニン」「ボルタレン」は、インフルエンザの熱に対してはNGです。
小児で言われていますけど、大人も同様です。
安易に常備しているものを飲んだりしないようにしましょう。
それからインフルエンザ薬と一緒に、解熱鎮痛剤と症状を止める薬がセットで渡されるようで、とても疑問を感じます。一緒に出されても、解熱鎮痛剤はあくまでも頓服です。
症状が辛いからと言って、熱が下がった後も飲むのは大変危険ですのでやめてくださいね。

そもそも風邪を引くというのは、インフルエンザも含め免疫力が低くなっていることが原因です。
寝不足、不摂生、暴飲暴食もしくはご飯をしっかり食べない・・・など、
日常生活で身体に負担をかけている事への注意勧告とも言えます。
特に、インフルエンザは、熱なら3~4日で下がり、1週間で回復できるものです。
「身体が休みたい」と言っていると思って、ゆっくり休んであげることが、
結局は一番早く元気になるような気がします。

寒気がしたら足とお腹を温め、暑くなったら布団を薄くして熱のこもりを放散させる。
外気が直接肌に触れないようにして、汗が出たら、こまめに着替えをする。
食欲がなければ無理に食べず、胃腸を休め、
食べられるものを少しだけ。ただし、冷たいものは口にしない。
熱による水分消耗には、白湯やアルカリ飲料、もしくは経口補水液で補い、
じゅぶんな睡眠と休養をとり、身体のメンテナンスを促す。
そして、感染を広げないように外には出ない。

お金がかからず、一番身体に負担をかけない自然な養生です。
経口補水液が苦手な人や、熱がひどくて水分を取れない人は、水500ccに対して砂糖大さじ2杯、塩ひとつまみ、それにあればレモン汁少々(もしくは梅ジュースや梅干しでもよい)で、
自家製経口補水液をお試しください。市販のものよりもずっと美味しいし、飲みやすいです。

ただし、今シーズンのインフルエンザ(特にA型)は、しつこい咳を伴い、
肺炎や咳喘息を合併する例が多く見られます。
4日以上続く高熱や、荒い呼吸、喘鳴、もしくは、熱が下がって1週間経っても
発作のような咳き込みが続く場合は、なるべく早く病院で診察してもらうこと。

うちでできる養生で、もう一手間かけられるならお灸がオススメです。
熱が出た時には大椎(だいつい)に、


お腹の症状が出ている時は天枢(てんすう)、
病み上がりの消耗には関元(かんげん)、湧泉(ゆうせん)に。

お灸はせんねん灸でOK。
火を使うのが怖ければ、お湯を入れたホット用のペットボトルの底をツボに当てて、
熱くなったらとるという方法でもいいです。
熱や消耗で動きにくくなった気血の流れを巡らせるので、身体が楽になりますよ。

また、普段の予防として、口の中のケアが大切。
口の中は外気に含まれる雑菌が多く付着します。
そして歯垢には菌が大好きなタンパク質が多く含まれていて、そこに付着した雑菌が繁殖します。
特に、寝ている時は唾液も少ないので、一番繁殖しやすいのです。
ですから、夜寝る前と、朝起きたらご飯を食べる前に歯を磨くか、
最低でも口をすすいでから水を飲んだり朝食をとりましょう。







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