春とアレルギー

すっかりあたたかくなりました。
梅の花も桃の花も今、花盛り。来週には桜の開花も予想されていて、春本番です。
しかし、春とともにやってくるのは花だけでなく、やっかいなアレもやってきました。
アレ。「花粉」
今年は暖冬だったこともあって、例年よりも早くかつ大量に舞っているそうで、
いつもならまだ先のはずのヒノキの花粉ももう飛んでいるとのこと。
先日ニュースで大きく取り上げられていた韓国のPM2.5による大気汚染も、そろそろこちらに流れてくる頃だし、黄砂も思うと、なんだかアレルギーが発症していなくても目や鼻がムズムズしてきます。

アレルギーというのは、身体の過剰反応です。
元々人間には「許容量」というのがあって、飲食物から空気まで、外部から体内に入ってくる全てのものに対して、ある程度は何でも解毒分解して身体に取り入れたり、排出したりしています。
その許容量を超えた場合、解毒分解ができずに人体に悪影響を及ぼすので、
その前に身体自分で警報を出して、これ以上入ってこないように自分自身に知らせるわけです。
この時の反応が「アレルギー反応」です。

ただ、この反応がでると、身体は臨戦態勢になるので、さまざまな刺激に対して過敏になる傾向があり、そうなると、どんな刺激にも反応してしまって、自分自身でもわけがわからなくなってしまいます。
そしてこの「許容量」は、人によって量が違うし、体調によっても変わってきますから、本当に厄介です。

春は芽吹き、目覚めの時期で、私たちの身体も冬の休息期から活動期に移行する変換期ですから、身体はとても不安定です。
そして前回もお話ししたように、春は「肝」という機能が目まぐるしく動いています。

「肝」は身体をめぐる「血」の配分を統制し、同時に「解毒分解」をするところで、この時期、休息期に溜まった毒素を解毒分解して排出を促し、活動期に入った身体に必要なエネルギー(気)を養った「血」を身体中にバランスよく調整分配しなければならないので、フル活動を余儀なくされるわけです。

この「肝」という機能は、疲労などのストレスが非常に苦手。
元々、性質が「巡らせる」ことですから抑えられることがとても苦手なのです。
ストレスで抑えられると、肝機能の微妙な調節ができず不安定になってしまいます。
先程の「許容量」というのは、この「肝」が決めるものですから、「肝」が不安定な春にアレルギーが起こりやすいのもわかりますね。
他にも、「血」の分配のバランスが崩れると、頭痛やめまいなども起こしやすくなるので、「肝」を健やかに動けるように養生したいものです。

とにかくストレスが嫌いですから、この時期は芽吹いていく木の芽のように、気温の緩みに目を覚まして巣穴から出てきた熊のように大きく伸びをして、心身ともにリラックスさせて久しぶりの温かな陽気を喜び春を楽しみましょう。
春はとかく忙しくて、わさわさしたり、それが耐えられなくて逆に鬱々した気分になったりしますが、そんな時はゆっくり深呼吸をして(花粉症の人はイヤならマスクのままでww)
新鮮な空気を身体に入れてあげましょう。
吸気は新鮮な空気は身体を養う「血」には不可欠な材料。
呼気は身体の老廃物を排出する大切な機能です。

また、酸味のある食べ物は、気分をスッキリさせて「肝」の働きを助けます。
前回もおはなしたように、柑橘系やいちごなどの酸味のある果物や酢の物がオススメです。
「血」を養うためには、栄養分を作る「脾」(おなか)がとても大切です。
「脾」を冷やすと、もれなく「肝」も冷やしてアレルギーが出やすくなりますから、
アレルギーのある人はこの時期は特にお腹を冷やすものを食べたり飲んだりするのは厳禁です。
また、山菜やタケノコなどのアクの強い野菜も、食べすぎるとアレルギーを促進してしまいます。
旬の春の野菜は、「肝」も「脾」にもとても良い食材ですが、食べ過ぎには注意。
いつもは腹八分目といわれますが、この時期は7分目くらいの気持ちで軽めに食べた方が、
「肝」に負担をかけずに、健やかに動かすことができます。



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