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冬の到来〜寒さから身を守る養生〜1

木枯らし 1 号が吹いて、ぐっと寒くなりました。 街行く人の服装が、カーディガンや薄いジャケットから、コートやセーターに変わり、 今年も冬の到来です。来週にはダウンとマフラー姿の本格的な冬の服装に変わりそうな予感。 肌寒さを感じても、「まだ早いよね?」と、薄着にしたりすると、冷えをたくさん取り込んでしまいますから、首元をしっかり守って、体感にあった服装にしましよう。 「首元」とは、首だけでなく、手首、足首の「首元」も指します。 ここは外気が出入りしやすいツボが点在していますので、「首元」を開いて外気に直接触れると、容易に冷気やウイルスなどの侵入を許してしまいます。 頭の付け根から肩につながるうなじと肩甲骨の間には「 風門 (ふうもん)」「 風池 (ふうち)」「 風府 (ふうふ)」というように、風のつくツボがあり、東洋医学では、ここから「風」や「寒」の邪気が入り込み風邪をひくと言われています。 また、手首にある「 陽池 (ようち)」というツボは、上肢の気血の流れを整え、外気への入り口を開閉させて体温調節をしていますので、ここを冷やすと冷えが入り込み上半身に寒さを感じたり、逆に上肢に生じた余分な熱を排出を阻害されて、のぼせやめまいを引き起こしたりします。 そして足首には「 解谿 (かいけい)」という胃に直接繋がるツボがあり、ここを冷やしてしまうと、胃を冷やしてしまうので、体の中から冷えてしまうため、外からどんなに温めても冷えが止まりません。 お出かけには靴下を忘れずに。そしてレッグウォーマーで足首を防御することをお勧めします。 手首は詰まった袖を。うなじや背中は、風が入らないようにハイネックがお勧め。 もし首が出てしまうのなら、スカーフやマフラーで守ってあげてください。 それでも冷えてしまった時は、手足首と首を温めるだけでなく、胸やお腹を温めてあげて。 鎖骨の下のあたりには、肺を温め暖かい気を巡らせる「 中府 (ちゅうふ) 」というツボが、 背中と首の付け根には「 大椎 (だいつい)」という風寒邪気を抜くツボがあります。 ゾクゾクっと来たら、ここにホットタオルなどであたためてあげるとゾクゾクが止まり、息が深くできるようになります。 またお腹は気を生成する「脾」と血を統制している...

秋の不具合とみかん

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暑い暑いと嘆いていたのに、気がついたらすっかり秋。 吹いてくる風がひんやりと頬を撫で、 街行く人々も、半袖のTシャツからジャケットやコート姿に替わりました。 あいにくの雨が続いて、各地方に冬を前にして大きな爪痕を残していること とても残念で、災害に遭われた地方の復興が早く進むことを心からお祈りします。 雨が降らなければ、空は抜けるような青空の秋晴れがとても気持ちがいいこの季節、 この後は、お日様が機嫌よく顔を出してくれるといいなと思います。 さて今年も長かった暑さからようやく解放されて、ようやくホッと一息。 とともに、なんとなくメランコリックな季節に、ため息なんかも出てきて。 夏の暑さの疲れは、身体だけでなく心にもダメージを残していますから、 ちょっとしたことで気持ちが落ちてしまいがち。 しっかり睡眠をとり、活動も今までよりもペースダウンして、一息つくことは 身体にはもちろん心にもとても大切なことです。 それでも、枯れ葉が落ちてもため息が出る季節ですから、 夜やお休みの日はゆったりとした気持ちで自分のやりたいことをしたり、 楽しいことを考えたりして、気持ちを持ち上げてあげましょう。 そんな時にちょっと助けてくれるのは、みかん。 「こたつにみかん」の代名詞とともに冬の果物ですが、 少し青みが残ったこの時期のみかんは甘さと酸味のバランスが良くてとても美味しいです。 柑橘系の酸味も香りも、イライラや、ストレスなどで不安定になった 「肝」を着かせてくれるのにとても効果があります。 「肝」というところは、本来春に不安定になる器官ですが、 このようなめまぐるしい季節の変わり目には不安定になりやすいものです。 加えてこの時期不安定になる「肺」とは拮抗する器官と言われ、 「肺」が強くなれば押さえ込まれ、「肺」が弱くなれば暴れます。 「肺」はイメージ通り呼吸器系と「気」の巡りにとても関係深い器官です。 秋になり、風邪が流行ったり、鼻や喉の不具合が起きやすいのは、 まさにこの「肺」の運行が不安定になりやすいからです。 秋は乾燥が急激に始まり、「肺」はこの乾燥がとても苦手です。 肌がカサカサしたり、鼻や喉の粘膜が荒れて咳や鼻水が出たり痛くなったりします。 肌も粘膜も、実は呼吸器を護る表層ですから、「肺」の支配...