秋の不具合とみかん


暑い暑いと嘆いていたのに、気がついたらすっかり秋。
吹いてくる風がひんやりと頬を撫で、
街行く人々も、半袖のTシャツからジャケットやコート姿に替わりました。

あいにくの雨が続いて、各地方に冬を前にして大きな爪痕を残していること
とても残念で、災害に遭われた地方の復興が早く進むことを心からお祈りします。
雨が降らなければ、空は抜けるような青空の秋晴れがとても気持ちがいいこの季節、
この後は、お日様が機嫌よく顔を出してくれるといいなと思います。

さて今年も長かった暑さからようやく解放されて、ようやくホッと一息。
とともに、なんとなくメランコリックな季節に、ため息なんかも出てきて。
夏の暑さの疲れは、身体だけでなく心にもダメージを残していますから、
ちょっとしたことで気持ちが落ちてしまいがち。

しっかり睡眠をとり、活動も今までよりもペースダウンして、一息つくことは
身体にはもちろん心にもとても大切なことです。
それでも、枯れ葉が落ちてもため息が出る季節ですから、
夜やお休みの日はゆったりとした気持ちで自分のやりたいことをしたり、
楽しいことを考えたりして、気持ちを持ち上げてあげましょう。

そんな時にちょっと助けてくれるのは、みかん。
「こたつにみかん」の代名詞とともに冬の果物ですが、
少し青みが残ったこの時期のみかんは甘さと酸味のバランスが良くてとても美味しいです。
柑橘系の酸味も香りも、イライラや、ストレスなどで不安定になった
「肝」を着かせてくれるのにとても効果があります。
「肝」というところは、本来春に不安定になる器官ですが、
このようなめまぐるしい季節の変わり目には不安定になりやすいものです。
加えてこの時期不安定になる「肺」とは拮抗する器官と言われ、
「肺」が強くなれば押さえ込まれ、「肺」が弱くなれば暴れます。

「肺」はイメージ通り呼吸器系と「気」の巡りにとても関係深い器官です。
秋になり、風邪が流行ったり、鼻や喉の不具合が起きやすいのは、
まさにこの「肺」の運行が不安定になりやすいからです。

秋は乾燥が急激に始まり、「肺」はこの乾燥がとても苦手です。
肌がカサカサしたり、鼻や喉の粘膜が荒れて咳や鼻水が出たり痛くなったりします。
肌も粘膜も、実は呼吸器を護る表層ですから、「肺」の支配下なんですね。

こんな時に、みかんに含まれるビタミンCやカロテンなどがそれらを潤し守って
免疫力を高めてくれます。
東洋医学でも気の運行を整え、臓腑を温め、痰飲(不要な水分=痰や鼻水、むくみなど)
を乾燥させて取り除くと言われています。

不安定になっている「肺」にも「肝」にも効果があるなんていいですよね。
でも、食べすぎるとビタミンのバランスが狂って、口内炎などを作ってしまいますし、
食物繊維が多いので、胃腸に溜まりガス腹になったりしますから、ご注意。

そんな時は、香りを楽しんみるのもいいでしょう。
皮にはたっぷりと香油が含まれていますから、擦ったり触っただけで香りを楽しめます。
アロマを焚いて香りを楽しむのももちろん素敵ですが、
せっかく旬ですから、フレッシュなみかんを楽しんでみてください。

みかんの効果をもっと高めるならば、「焼きみかん」がオススメです。
「焼きみかん」とは、文字通りみかんを皮のまま焼いたものです。
温かいみかん?って思うかもしれませんが、みかんは温めると甘みが増してとてもおいしくなり、
薬膳効果もグンとアップするのです。

元々、みかんの皮は「陳皮」と呼ばれ、漢方薬につかわれています。
効能は、免疫力のアップ、コレステロール値を下げる、胃腸の調子を整える
咳痰を抑えるなどがあります。

加熱するとビタミンCが失われると思われがちですが、
皮のまま焼くとビタミンCは損なわれませんし、「陳皮」の薬効成分も果肉の方に吸収されるので、
皮を食べなくても効果が得られますし、気持ちを落ち着かせる香りも加熱すると香油が立ち上りより香り高くなります。

農薬等が気になる方は、ぬるま湯で洗って拭いてあげれば、皮ごと食べられるくらい大丈夫です。




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