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春風のいたずらにご注意

春です。 桜も開花が始まり、艶やかな薄紅色を纏い、 街も私たちもなんだかウキウキしてきます。 春はいいですよね。 桜に限らず、いろんな花が咲き、若葉も芽を出し始め モノトーンだった世界が急に鮮やかに色づきますものね。 春は目覚めの季節。 寒い冬を越えて、ぽかぽか暖かい南風が吹き始めると、 植物も動物も、目を覚まし活動を始めます。 冬眠はしなくても、私達の身体も同じように冬の寒さに耐えて貯めていたエネルギーを 外に開放して、 活動しやすい身体に変化するシステムが発動されます。 だから、気持ちも身体も軽くなって、お出かけしたくなるんですよね。 でもね、ちょっと待ってください。 南風は、暖かい空気を運んでくる春の使者ですが、 春一番や春の嵐が吹いたりするのでもわかるように、 ちょっと乱暴ないたずらっ子でもあります。 眠っている生き物たちを起こして回るのですから、 ちょっと刺激的なのかもしれません(笑) 東洋医学では、身体を刺激して不具合を起こす環境の変化を「外邪(がいじゃ)」と言い、 その中で、風に吹かれることによる刺激を「風邪(ふうじゃ)」と呼びます。 春風のこともあり、春はこの「風邪」に翻弄されやすい季節と言われてます。 この時期、私たちの身体は休息期の冬の身体から活動期の身体に変わるため、急激に変動します。 この変動にはたくさんのエネルギーが必要ですから、 冬の間貯めていた栄養(燃料)を血(けつ)に載せて、 変動するためにフル稼働している身体中に運び込まなくてはなりません。 この血の運行を司っているのは「肝」と言う場所です。 解剖学で言うところの「肝臓」をイメージするとわかりやすいかな? 「肝」は、毒素を解毒排出し、血に栄養を含ませ、それを身体中の活動に合わせて 分配していく 身体の司令塔のような場所です。 春の変動によって、フル活動を余儀なくされた「肝」は、この「風邪」にとても翻弄されやすく、 「風邪」の侵入を許すと、「肝」の支配下にある「筋=筋肉」に影響を及ぼし、 ひきつれや痛みを引き起こします。 だから、春はぎっくり腰や寝違え、こむらがえりなどを起こしやすいのです。 目覚めたばかりの身体は、まだ急激な変化に素

春のイライラ

「 昨日、〇〇さんとけんかしたの。だって、あんまりな言い方なんだもの! だからイライラして仕方がないのよ。」 先日、母が電話でこんなことを言って来ました。 〇〇さんというのは、私の弟の嫁。 つまり嫁姑の喧嘩ということなんですが(笑) 普段は一物持っても、外には出さない2人なのに、 お互い「ひと言」を抑えられなかったのはどうしてなんでしょうね。 まあ、腹のムシの居所が悪かったと言えばそれまでですが、 実はここのところ、こういう話をよく耳にします。 「わけもなくイライラする。」 最近、そんな風に感じたことありませんか? 実は春はウキウキもするけれど、イライラも多い季節なのです。 春は芽吹きの季節。 花が咲き、土から様々な植物の芽を出し、 冬眠した動物たちは目を覚まし、生命のエネルギーが地球全体に湧き上がります。 それと同じように、わたしたち人間も、 身体を縮こませてエネルギーを貯めていた休息期の身体が、 エネルギーを発散させる活動期にスイッチが入ります。 でも、寝起きに急に動けないのと同じように、 エネルギーの発散の勢いにまだ身体がついていかない。 今まで抑えていたエネルギーが一気に解放されるのですから、 勢いが激しくて、それを うまくコントロールできないのですね。 すると、勢いのあるエネルギー=感情は暴れだす。・・・イメージ浮かぶでしょ? 春は「肝」という機能に深く関与します。 「肝」というのは、まあ、西洋医学でいうところの肝臓のあたりのことを言うのですが、 東洋医学では「臓器としての肝臓」よりもっと広域に考えています。 その働きは、血の生成から分配まで血の統括すること。 うまく身体全体に満遍なく血がいきわたる様にするのがお仕事なんですが、 そしてその働きは、「血が沸き上がる」とか、「血の気が引く」って表されるように、 感情に敏感に影響されます。 イライラすれば「お酒でも飲んで憂さを晴らしたい」と思うかもしれませんが、 実はこれは逆効果。 お酒は少し飲むくらいなら、血流を良くして一時的には「肝」を助けますが、 お酒の解毒って、「肝」にとってはかなりの負担なのです。 「肝」に負担をかければ、当然血の統括にも支障が出ますから、 余計に感情の暴走を助長することに。 それどころか、