春の不調と五月病

街路樹の花がが桜からツツジ、花水木にかわり、風が初夏の香りを運び始めました。
まだまだ寒暖の差は激しいですが、着実に季節が変わってきています。
今年はヒノキの花粉の量が半端ないらしいですが、それもそろそろ終わり。
花粉症も少しずつ治ってきている人も多いですね。

いよいよ、身体も本格的に動き始めて、新学期も軌道に乗って
はつらつと生活できそうなんですけど、
なんだかここにきて、身体がだるい。やる気がイマイチでないー
なんて言う声が多くなってきました。
あれあれ?どうしたんでしょうね?

新しい季節を頑張って、頑張りすぎて、ホッとした時、こんな症状が起こることがあります。
いわゆる「五月病」ってやつですね。
「五月病」とよく言われますが、特別な病ではありません。
ただ、この時期にこれらの症状を訴える人が多いので、そのような名前がついたようです。

例年なら、ゴールデンウィーク明けあたりからそんな声を聞くことが多いのですが、
やはり今年は季節が急いでいるのでしょうね。
花の咲き方と同じように、早めに症状が出てきてるみたいです。

前にもお話したように、春は休息期から活動期の身体に切り替えるために
「肝」と言うところがフル活動します。
その時に、頑張りすぎてしまったり、ストレスフルな生活をしていると、
「肝」が疲れたり空回りしてしまって、新陳代謝が滞ったり、
身体にうまく気血を分配することができずに、身体に様々な不調が出やすいのです。

①肝のエネルギー不足
「肝」は全身に血を巡らせ栄養を供給して、各臓器はそれをエネルギー=気に換え活動しています。
しかし、不規則な生活や食事をすると、そのサイクルが狂って気が不足します。
ですから、やる気が出ない、焦り感、不安感、疲れが取れず朝が起きられないなどの症状が出るのです。

春は特に肝がフル活動を余儀なくされるので、気を大量に消耗します。
ですから冬の休息期に「腎」と言うところに気を貯めて置くのですが、
高齢者や身体の弱い方はここに元々気が足りません。
そして、冬も忙しく動き回っていた人は、春になる前にそれを消耗させてしまうため、
肝に必要な気を供給できません。
思い当たる方は、とにかく「肝」を動かす気が足りないので、補う必要があります。

黒ごま、わかめ、昆布、ひじきは、「腎」の不足した気を補い、
魚介類、ナッツ類は肝に血を補います。
また、その時に甘酸っぱいフルーツを摂ると、補給した栄養を上手く流してくれます。

そして何よりも充分な睡眠をとりましょう。
夜、寝ている時に全身に巡らせた血を「肝」に戻して血に混じった老廃物を取り除き、
栄養を養い、翌日の活動時に綺麗で豊かな血を身体に巡らせています。
夜更かしをしていると、その作業が追いつかないまま身体に巡らせることになるので、
肝に多大な負担をかけ、かつ、血を巡らせても身体は滋養されません。

足の裏の「湧泉(ゆうせん)」から土踏まず、指先へのマッサージをすると、;
気の生成し巡らせるのを助けてくれます。また踵を温めたりマッサージをすると、
心地よく眠ることができます。

② 肝のエネルギーはあるのに上手く巡らない
「肝」はとても我慢強く頑張り屋ですが、実はとても繊細で、
精神的ストレスにとても影響されます。
頑張りすぎたり、我慢しすぎると、「肝」は熱を持ち、気を鬱滞させてしまうので、
全身に血を上手く回せなくなってしまいます。
熱は気血を上に上げるので、イライラしたり、興奮が収まらず頭痛を起こしたり、
眠れなくなったりします。

目は「肝」と直結しているので、スマホやPCをやりすぎると、
目が充血してさらに熱を上に上げるので、さらに症状を助長させます。

このタイプの方は、まず目を休めて深呼吸することをお勧めします。
「肝」の緊張により、筋肉もこり固まり、呼吸も浅くなっていますから、
息を深く吐いて、その緊張をほぐしましょう。

辛味のある大根やセロリなどは、肝の熱を鎮めて上手く流してくれます。
そして足の甲にある「大衝(たいしょう)」から足首にかけて指圧してあげると、
上がった気血を下げてくれます。

コメント

このブログの人気の投稿

夏の汗と養生

夏の疲れは、秋の大風邪に〜初秋の養生

2024年の冬養生