立秋を過ぎたから秋です。

毎日暑さが続きます。
あまりに長く続く猛暑に身体はもうへとへと。
クーラーもフル活動で、寝るときも一晩中つけていることも多いでしょう。
たしかに使わなければ、暑くて眠れないし、下手をすると熱中症を起こしかねない今年の夏。

でも、ちょっとした気温調節で、今度は寒さを感じて切ると、今度は暑かったり。
本当に快適な空間を作るのはとても難しいです。
暑さ対策も大変ですが、それ以上に冷え対策もしないといけません。
夏に身体を冷やすと大変なことになるのです。

今年の立秋は8月7日でした。
8月7日といえば、まだ暑さが盛りで35℃以上が続いていた頃ですが、
暦の上ではここから秋の始まりです。
正確には8月7日から8月23日の「処暑」までが「立秋」です。
「処暑」は暑さの終わりという意味で、暑さが変わる時なので、
「立秋」がまだ暑さの盛りと変わらなくても仕方がないかもしれませんね。

でも秋の入り口。
季節は確実に変わろうとしています。
人間の身体もその流れに合わせて秋の身体に変わるスイッチが入りました。

活発に活動し、古い気や老廃物を身体からすっかりカラにするのが夏なら、
そこに新しい綺麗な気を取り込み、やがてくる冬に耐え、春に活動するためのエネルギーを蓄えるのが秋。

開放していた毛穴は閉じ、外に開放していたエネルギーを身体の内側に向け、
身体は取り込めるもの全てを身体の内側に貯め込もうとします。
「食欲の秋」とは言ったもので、たくさんのエネルギーを取り込むために、食欲も増してきます。

この時に、冷たいものを食べたり、強いクーラーなどで身体を冷やすと、
その冷えをも身体の内側に溜め込んで、身体のあちこちにさまざまな不定愁訴を引き起こします。

冷えは一番外部に近い「肺」の機能に直接作用します。
すると鼻水、咳、喉の痛みなどが出やすくなり、呼吸器系の症状を引き起こします。
冷飲物をたくさん食べてお腹を冷やせば、エネルギー生成機能が低下し、
エネルギーを全身に上手く送れなくなるので、倦怠感や疲れやすくなったりします。
また、こんな時に暑さと涼しさが交互する秋の気候に対応しきれず、
アレルギー症状がとても起こりやすくなります。

そして何よりも大変なのは、それらの不調は直接命の消耗に繋がるということです。
身体を動かし一定の体温を保持しているのは、身体の中のエネルギーを燃やしているからです。
そのエネルギーが冷たいとすぐには使えないので、
身体の奥に貯めている「生体エネルギー」を取り出してエネルギーを温めなければなりません。

この生体エネルギーは、食べ物や太陽の光など外部から取り込むエネルギーと違い、
私たちの身体に生まれた時から備わっているエネルギーで、私たちの命そのものです。
このエネルギーは増やすことはできません。年齢とともにそれは減少し、それは老化となり、
そして尽きた時に命も尽きます。

ですから、この「生体エネルギー」を大切に使わなければなりません。
それなのに身体を冷やしてしまうことで、「生体エネルギー」を浪費してしまうのは
とても勿体無いことですね。

今のうちに身体の中の冷えを追い出しましょう。
まだ秋の身体にかわりはじめたばかりです。まだ間に合います。
しかしそうは言っても   今年の殺人的な暑さはまだ続いています。
無理に暑い中活動するのも、クーラーを止めて汗をたくさんかくのもお勧めしません。

もちろん、熱中症になるのも怖いですが、暑さが過ぎる、大汗をかくと、
「心」の機能が疲れ過ぎてしまいます。
「心」というのは心臓のことですが、心、精神=脳とも親密な関係があり、
「心」に支障をきたすと、これらにも支障がきます。

ではどうして冷えを追い出すかというと、まず1番はお腹を温めてください。
まず、もう冷飲物は食べないようにする。
そしておへその下の関元というツボのあたりを温めましょう。

腹巻や、まだ暑ければガーゼ一枚お腹に入れるだけでも構いません。
シャツ一枚でなく、下着を着る。
夜は長ズボンを履いて、クーラーつけて寝るなら肌がけを掛ける。
足首が隠れるように、レッグウォーマーを履く。
足首にはお腹と直結しているツボがあるので、ここを冷やすと、もれなくお腹も冷えます。
また、胸元や項、肩に直接冷たい風が肌に触れると、呼吸器系の症状が出やすくなります。

それから汗をかいたらこまめに拭く。
汗は体温調節のための大切な機能。
熱も冷えも、身体の外に流してくれますが、そこに冷たい風が当たれば、
逆に冷えを身体に入れてしまいますし、
汗を纏ってしまうと、体内に熱を籠らせてしまいます。

そして1番大切なことは、休養をしっかり取るということ。
夜しっかり睡眠をとる。そして疲れていたら、昼間でも横になったり、
できるなら昼寝もしてください。
そして無理をしないこと。

夏はエネルギーも豊富にありますが、その分消耗も大きいです。
無理をして、エネルギーを消耗し過ぎると、秋に息切れしてしまいます。

目まぐるしい環境の変動で、体調を整えるのは難しいですが、
暑ければ頭のてっぺんの百会を冷やし、冷えを感じたらおへその下の関元を温める。
暑さにも冷えにもこまめに対応して、健やかに次の季節を迎えたいものです。


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