夏の疲れ

不安定な天気が続きます。
この間のゲリラ豪雨はすごかったですね。スコールのような雨と雷。
でもこれは夏の高気圧と秋雨前線の衝突によるものです。
まだまだ暑い日が続きますが、それでも確実に季節は変わっています。

時折吹いてくる風の気持ちよさにホッとするけれど、
同時に感じる疲労感に、今年の夏がどれほど厳しかったかを痛感します。

本当に今年の夏は厳しかった。
早い時期から夏がやってきて、梅雨もしっかり雨を運んできて、
暑さと湿気の混じり合った暑さは、日本特有の暑さだけど、
尋常じゃない気温に、もはや「生命の危険を感じる夏」となってしまいました。

湿気は酷暑の外気とくっつけば、身体に熱を籠らせ、
クーラーの冷気とくっつけば、夏なのに身体に冷えを溜め込んでしまう。
逃げ場のない暑さと冷えに、私達の身体は翻弄されてたのは、前回のお話の通りです。

そして過ごしやすい秋に変わろうとしているけど、私達の身体はすっかり疲れ果てています。
過ごしやすい秋は、次の厳しい冬に備えるための準備期間。
身体は急激な機能変換をしなくてはなりません。疲れている場合ではありません。

まず、とにかく睡眠をしっかり取りましょう。
「睡眠」は、身体の不調を整備する大切な時間です。
東洋医学では、「血は昼間は身体中を巡り身体を養い、夜は肝に戻り血を養う」と言われ、
昼間、全身を巡り栄養を配っていた血は、夜、身体中から老廃物を運んで「肝」に帰って行き、
解毒され新しい栄養を積んで、また身体中を巡ります。
この時、睡眠をとっていないと、「肝」は血に養い切れず、古い血のまま身体に巡らせてしまいます。
積み残しの老廃物は再び身体に戻り、蓄積され、「疲労」という形で表れます。
だから朝起きた時に「疲れが取れない」と感じてしまうのですね。

また、血は「肝」から全身に分配されますが、その原動力は心臓の拍動です。
「肝」の指令を受け、元気よく血を必要な場所に送りますが、心臓から遠い末端まで同じ力で送ることはできませんから、どうしても末端の流れが悪くなります。
また末端から古い血が戻るためにはどうしても力が足りません。
その流れを補助するのは筋肉の役目です。

筋肉は進展することで血を引き込み、収縮することで血を押し出します。
ですから筋肉が動くたびに血は勢いよく身体を巡ることができますが、
動かなければ、血流は滞り、淀んだ場所に老廃物が溜まることになります。

朝、節々に痛みやだるさを感じるけど、動き出すと治る、と言うのはこう言うわけなのです。
適度な筋肉運動が必要です。

まず、末端の手首足首を回してあげましょう。
手首足首には、細かい筋がいっぱい集まっています。この筋がだんだん太くなって、ふくらはぎや腕の筋肉になっています。ですから、手首足首をほぐすことは、その先の腕や足の筋肉をほぐすことにつながります。
そして筋肉を屈伸して末端に溜まった血を押し出してあげましょう。

ウォーキングはとても効果的ですが、すり足で歩いていては効果が出ません。
膝を柔らかく動かし、ふくらはぎの筋肉がしっかり伸び縮みしていることをイメージして歩きましょう。

また、疲れた脾胃は、消化機能が落ちるだけでなく気=エネルギーを身体に巡らせる力も低下し、各部署で不具合を起こしやすくなります。
ですから、お腹を温めて脾胃の機能を助けましょう。
足首も冷やさないように注意します。足首には脾胃を助けるツボが詰まっています。
ここが冷えてしまうと、お腹も冷えてしまうので気をつけましょう。

この時期にオススメな食べ物は、関東の人には馴染みが薄いかもしれませんが、「冬瓜」がいいようです。
身体の中に溜まった余分な水分を排出し、暑さによって疲れてしまった心=心臓の熱を鎮めます。身体の疲れを取り、疲れた血を元気にする豚ひき肉と一緒にトロトロに煮ると夏バテの身体によく効きます。
また、黒いもの(黒ごまや黒豆、ひじき、ワカメなど)を食べても滋養されます。


もうすぐ来る秋の前に、夏のリセットをしっかりやって、素敵な秋を迎えましょう。

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