なぜ眠らないといけないの?
年の瀬が迫ってきました。
今年は気候がとても厳しくて、一年を越すのもとても大変でした。
地球温暖化やさまざまな環境変化により、年々厳しい気候となりますが、
それに乗り越え、来年も健やかに過ごしていきたいですね。
さて年末年始のお休みに入り、お正月の準備に忙しい人も、休みに入って遊びに忙しい人も、
はたまたついついテレビの特別番組に目が行って・・・など、夜更かしをしてしまいがちですが、
睡眠不足は万病の元。
お休みの時こそ、しっかり睡眠をとって、英気を養いたいものです。
とは言っても、「忙しいんだから寝ている暇なんてないよ。」と言われる方もいますよね。特に、受験生さんたちはこの時期、正月どころか寝ている暇もないと思っているかもしれませんね。
そもそも、なんで私たちは眠らないといけないのでしょう?
私たちの身体は、活動をするとき、エネルギーを消費しています。
エネルギーは身体の中で燃焼され、熱量が上がり、興奮状態になります。
興奮状態になると、脳が活性化するので集中して活動することができますが、
常に興奮状態ではとてもエネルギーが足りません。
また、ずっと活動を続けていると、熱量が過剰でオーバーヒートを起こしたり、
色々な場所で不具合が起こってきます。これがいわゆる「疲れ」ですね。
そうすると、集中力が途切れ、勉強や仕事も効率が悪くなります。
そこで、身体は活動を必要最小限にしてエネルギーの消費を抑え、
その間に不足したエネルギーを補い、各機関のメンテナンスをしようとします。
これが「睡眠」です。
東洋医学では、「血」は気=エネルギーを全身に運び、必要な分だけ分配して回ると考えられています。
そしてそれは「肝」という機関が統括していていて、昼間の活動時は全身を巡り、夜睡眠時には「肝」に戻り、老廃物を取り除きキレイにして、新しいエネルギーを養うと言われています。
ですから睡眠をしっかり取れないと、前の日の疲れを残したまま、次の活動時にうまくエネルギーを取り入れることができません。
朝、スッキリ起きることができず、疲れが取れていないと感じるのは、睡眠不備のため、
身体のメンテナンスができていないということなのです。
「血」は活動時は活動に、メンテナンス時にはメンテナンスにと切り替わりますから、
身体が活動している時はメンテナンスをすることができません。
そして身体はその切り替えのタイミングを「熱量」=体温で決めています。
活動時はエネルギーを消費しているので、当然熱量は上がり興奮状態です。
この熱を鎮静化させてからでなければ、私たちは眠ることができません。
ですから、寝る前にPCやテレビを見て興奮すると、なかなか眠ることができません。
また、逆に身体が冷えていると、今度はメンテナンス(と言うか生命維持)に必要な熱量=「体温」を確保しようと、筋肉を緊張させたり、身体の奥に貯めていた生体エネルギーを燃焼させて温めようと、身体の芯に熱が発生するので、やっぱりうまく眠れなくなります。
どこかが冷えていたり、どこかに熱があるなど、全身が同じように適度な温度(体温)を保持できなければ、私たちは健やかな睡眠を得ることができないのです。
そして今、私たちは寒さから身を守るために、通常よりも体温を保持するのに、通常よりもたくさんのエネルギーを必要とします。それなのに冬は貯蔵の季節。
次の活動シーズンに必要なエネルギーを貯め、これまでの活動で消耗した身体のメンテナンスをして、次の活動期に元気に活動するための準備期間なのです。
これは1年の中で言うと「睡眠」の時期ということになりますね。
ですから、冬の睡眠は特に大切なのです。
「寝るなんてもったいない」などと言わずに、特に気を配って欲しいのです。
さて、では健やかな睡眠を取るにはどうしたらいいでしょう。
まず1番大切なことは、活動して発生した余分な熱を鎮めることです。
身体を使った活動ならば、横になり休めば自然と鎮まりますが、
デスクワークなど、身体は動かさないで、頭だけをフル活動することが多いです。
これは筋肉は動かさないので熱はなく、頭だけに熱があるという状態です。
1箇所に滞っている熱は、流さないと放散できません。
足を温めると、頭上に上がった熱を身体の下方に下げることで、熱を鎮めることができます。膝を立てて横になり、ふくらはぎを膝でしごいてあげるのも効果的です。疲れすぎて、そんなことをする力もないという人は、湯たんぽを内腿の間に挟んで上げると、いいいでしょう。
身体が冷えてたまらないという人も、ここを温めてあげると、一気に身体中が温まります。
寝るときの服は、身体を締めたりしないゆったりしたものを。且つ、熱を逃がさないように、手首、足首、首元がしっかりと守られているものを着てください。
もし開いているなら、タオルやレッグウォーマーなどを使って補ってください。
寝る前に、白湯を少し飲む。こうすると身体の中が適度に温まるので、緊張がほぐれます。それ以外のものは、胃と肝臓が動いてしまうので逆効果です。
布団に入ったら、頭以外は外気に触れないようにしっかり包みます。
五感は、外部の情報収集する器官です。
情報が入ってくれば身体は反応して活動してしまいます。
布団に入っても目が冴えてしまう人は、何かしらそれらの外部刺激に反応しているのです。
特に目は肝と関係が深く、目から入ってきた刺激は、そのまま肝を興奮させてしまうので、眠気を妨げてしまいます。
電気は暗くして。もしくは、ホットタオルなどで目を覆い、外部刺激を遮断し、眼筋の緊張をほぐしてあげると眠りやすくなります。
そしてゆっくり呼吸をしてあげると、身体がゆっくり巡り、興奮を鎮めることができます。
それだけではなかなか眠れない人も多いかもしれません。
睡眠はとても奥が深いです。
それままた次にお話ししたいと思いますが、まずは試していただけたらと思います。
今年一年もめまぐるしく過ぎて行きました。
過酷だったこの1年を無事に越そうとしている自分の身体をまず褒めてあげてください。
そして、来年もまた元気に過ごすために、ゆっくりする時間を少し作ってあげて、
身体をいたわってあげましょう。
急がば回れ。ヨレヨレの身体に鞭を打って動くよりも、しっかり休ませて、元気な身体で動いた方がきっと良い結果も出るでしょう。
来年も健やかに頑張りましょう。
皆さんに良い年が訪れますように。
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