夏の冷えと秋の冷え


9月の声とともに、日中は夏の暑さが残っているものの、
朝晩はすっかり涼しくなってきました。
身の置き場のない暑さから解放される時間が増えて、ホッとできている人も多いのでは?
でも、ここで気をつけなければならないのは、1にも2にも「身体を冷やさない」ということです。
「身体を冷やさない」というのは、この夏も再三お話ししていて、同じじゃないの?と思われがちですが、実は全然違うのです。

夏に取り込んでしまったクーラーなどの冷えは、汗を掻けば抜けるので、身体を動かせば勝手に排出できたのですが、
この時期に取り込んでしまった冷えは、身体の奥に取り込まれて排出しにくくなります。
と言うのは、夏の活動期から秋は休息期に向かうための切り替えるため身体が大きく変化するため、
身体の中から外へ放出されていたベクトルが、外のエネルギーを身体の内側に取り込む方向にガラリと変わるからです。

冬眠前にクマやリスが、たくさんの餌を食べてエネルギーを身体に溜め込むように、
人間の体も同じように、次に来る冬を越すための準備をするのです。
この時にエネルギーと一緒に冷えを溜めてしまうと、身体の奥にしまわれてしまうのでなかなか排出することができなくなってしまいます。

加えて、厳しかった夏の疲れは、お腹を中心に出始めています。
暑さに負けて冷たいものをたくさん摂ってしまった人はもちろんですが、
胃腸はとても暑さに弱く負担がかかっているので、気をつけていても胃腸は弱り気味。

*食欲が出ない。
*なんとなくお通じが柔らかい。
*胃がもたれる。

こんなお腹の症状から、

*だるい
*足がむくむ
*朝起きれない
*風邪をひきやすくなった。
*ケガや虫刺されなどの治りがよくない

なんて症状の方も多いのではないでしょうか?

こんな症状も、実はお腹の疲れが原因だったりします。
お腹に冷えが溜まると、胃腸の機能も低下し、その結果より冷えが増長するという悪循環。
いわゆる夏バテとはお腹バテのことなのです。

まずはお腹を滋養しましょう。
冷たいもの、刺激のあるものは避けて、胃腸の負担を減らします。
体力をつけようと無理に食べようとするのも却って胃腸に負担をかけてしまってよくありません。
「食べたくない。」「美味しくない。」は、胃腸の拒否反応ですから、無理やり詰め込まず、まず休ませてあげましょう。

もし食べるなら、野菜スープやお粥など消化の良い温かいものを少しずつ。
常温の水でも体温よりもずいぶん低い温度ですから、今現在症状を感じている人は、白湯を飲むことをおすすめします。

桃は身体を温める数少ない温性の果物です。
この時期の弱ったお腹を整え滋養してくれますから、食欲がない時に桃を食べるのもおすすめです。ただし、常温で(笑)

夜更かしは胃腸のメンテナンスを妨げるので、夜更かしせず十分な睡眠をとりましょう。
胃腸の不具合は、主に夜、身体が眠っている時に行われます。
ですから、夜遅くに食事をして、夜更かしすると、胃腸は「残業」によるストレスで熱を溜めてしまいます。
この熱は、「胃熱」と言って、胃腸がハイになった状態です。

食べても食べても食べたい。

は、食欲ありすぎなのではなく、胃腸の自暴自棄ですから、
感じるままに食べていると、完全に壊れてしまいます。
食事は早めに。
できれば寝る3時間前に終わらせることが理想です。
ダメならせめて寝る1時間前までで、かつ消化の良いものを軽く食べるにとどめて。

それから活動期から休息期に向かっているのは、身体だけでなく、心もそうです。
夏のようにあれもこれもと動かずに、ひと呼吸置いてから動く。
心に余裕を持たないと、胃も緊張してストレスをかけてしまいますからね。

お腹を健やかにして、気持ちの良い秋を過ごしたいものです。




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