コロナ騒ぎと春の関係


なんだかすごいことになっています。
イベントやスポーツの中止、強いては小中高の休校などがいきなり要請されて、
その対応で大騒ぎ。
つまらないデマに載せられて、紙製品から食料品の買い占めで、お店は朝から大行列。
ともかく止まらない感染拡大のせいで、誰も彼も不安に押し潰されそう。
まさかこんな大騒ぎになるなんて思ってもみませんでした。
でも、こんな風に騒ぎになったのって、この時期だったこともありそうです。

暦で言う春の訪れから、文字通り陽気も暦に追いついて、
春の歌声が聞こえてきました。
身体も気持ちも少しウキウキ始めるこの時期に、
それを押し付けるような現状と、そして不安を煽るような情報の洪水で、
必要以上に情緒が不安定になる人が続出しています。

春の初めは、芽吹きの季節。
立春から始まり、今は「雨水(うすい)」から「啓蟄(けいちつ)」に入るところ。
「雨水」は、雪や氷が溶けて水になること。
「啓蟄」は、気温の上昇により、冬眠していた虫や蛙、蛇などが
目を覚まして顔を出すと言う意味です。
春は芽吹き、目覚めの季節。
自然界の様子と同じように、冬の寒さに内にこもっていた私たちの生体エネルギーも、
積極的に活動しようと内から外へ向かい始めています。

このまさに身体を伸ばそうとするときに、出鼻をくじかれてたらどうでしょう?
今はまだ活動の準備段階なので、勢いは弱いけど、
伸びようとする気持ちを押さえつけられているわけですから、
ストレスも他の季節以上に感じて、反発する力も大きくなります。

今のような非常事態を前にすれば一気に上気して、
怒りにせよ、嘆きにせよ、感情が吹き出しやすくなります。
とりあえず、深呼吸をして落ち着きましょう。
テレビを見て不安を感じるなら消して、頭に上った血を下げて冷静になれば、
何が正しくて何が間違いなのか、ちゃんと判断ができるはずです。

これは「肝」という血の分配と運行を統制してる場所が、春に刺激されやすく、
「肝」が暴れると、激情するとき「頭に血がのぼる」と言うように、
気血が一気に上がるために起こります。
その為、感情だけでなく、血圧が高くなったり、
逆上せや頭痛、めまい、動悸が起こったり、
筋の痙攣や突っ張りなど、血の運行のバランスに関する症状が出やすくなります。

全身を駆け巡った血は、夜、睡眠時に「肝」に戻って、活動の疲れを浄化します。
別の言い方をすれば、興奮すれば血は「肝」から全身に巡り、
鎮静すると「肝」に戻ります。
睡眠はとても大切ですが、興奮したままでは眠れないのは当然です。

目からの刺激は、直接「肝」を刺激するので、
寝る前は、テレビやスマホ、PCなど刺激するものから離れた方がいいでしょう。
特に寝付きの悪い人は、食後は部屋の照明も暗めにして、
ゆったりと過ごすことをお勧めします。
食事は早めに済ませ、お風呂は寝る前に入るならぬるめのお湯で。
寝る前には身体に優しい白湯を少し飲んで、深い呼吸をすれば、よく眠れるでしょう。

また、「肝」の興奮を鎮めるのは酸っぱいもの。
酢の物柑橘類がオススメです。
特に柑橘類はその香りも気持ちを落ち着かせる効果があるので、
そばに置いておくだけでもいいでしょう。
また、セロリせりも、興奮した「肝」を鎮めて癒してくれます。

「脾」は「肝」の働きと密接な関係があるので、「脾」を養うことも大切です。
季節の変わり目はどうしてもお腹の調子が弱くなります。
ですから、春の初めは「肝」と「脾」の両方を整えると健やかに過ごすことができます。

そこでオススメなのは、韓国料理の「スンドゥブ」です。
豆腐や野菜を入れて煮た辛み鍋ですが、栄養のバランスがよく、
どの材料も春の「肝」「脾」にぴったり。
特にあさりは「肝」の機能を調節し、イライラを抑えてくれます。
ねぎ、ニラ、生姜、にんにく、豆腐は、デトックス効果とともに、
上気した熱を発散させて気を下げます。
えのきは気血を流し、腸内環境を整え、免疫力を高めます。

〈スンドゥブ〉
材料
豚肉、あさり、とうふ、えのき、ねぎ、ニラ、キムチ、たまご
a(生姜すりおろし、にんにくすりおろし、酒、醤油、ごま油)
b(みそ、コチュジャン)

作り方
①豚肉にaを入れて揉み込む
②①を鍋に入れて火が通るまで炒めたら キムチを入れて更に炒める。 
③水(できれば出汁)を加えて、沸騰したらbを加え、
 あさり、エノキ、豆腐を入れる。
④あさりの口が開いたら、ネギ、ニラを加え、たまごを落とし、

 一煮立ちしたら出来上がり。

*辛さはお好みで。
 辛いのが苦手な方は、コチュジャンを入れず、最後に一味唐辛子を少しふりかけても良い。
*コチュジャンが手に入らないときも同様に、一味唐辛子を加え辛味を調節してください。

スンドゥブと言えば、ご飯も食べたいところ。
炭水化物はダイエットの敵とされていますが、お米は気を補い、血を養うと言われ、
まさに「脾」「肝」を養う食材ですから、遠慮なくスンドゥブと一緒に食べてくださいね。
ただし食べ過ぎないように。

身体を立ち上げて、免疫力を高めれば、わけのわからないウイルスや菌に負けません。
気持ちを落ち着かせて、健やかに春を過ごしましょう。


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