コロナが来ても負けない身体に


桜の花も散り始め、代わりに新緑の初々しい緑色に眩しさを感じる季節になりました。
陽射しも吹いてくる風も気持ちが良くて、コロナウイルスのことがなければ本当に素晴らしい季節なのに。
本当にいまいましいです。

東京をはじめとした主要都市でついに「緊急事態宣言」が発せられ、
世界でも類を見ないほど感染者が増加していて、私たちの生活が脅かされています。
こんな中、私たちはどう暮らしていけばいいのでしょうか。

「不要不急」の外出、不特定多数の人との接触を避け、手洗いうがいを徹底することを前提として、
私たちがウイルスと言う見えない敵から身を守る確実なことは、
「ウイルスに打ち勝つ身体を作る」と言うことしかないと言うことは前回お話ししました。
今回は、もう一歩前に出て、私たちができることをお伝えしたいと思います。

☆ウイルスの侵入を防ぐ

コロナウイルスに関する中医学からのガイドラインが最近発表され、それによると、
コロナウイルスは「口や鼻から人体に入り、その 多くはまず「肺」、次に「脾」、「胃」、「大腸」に侵入する。
病変は比較的軽度であるが、ごく一部は「心包」、 「肝」、「腎」に逆伝して重症化する。疾患は急速に変化し、
明確な核心となる病態と症候群の進展 がある 」とされています。

ここで出てくる「肺」「脾」「胃」「大腸」は、東洋医学的に見た身体の「機能」です。
口、鼻、目などの粘膜は「肺」という機能が司っていて、
ウイルスに限らず、外からの邪の侵入を防ぐ役目を持っています。
もっとも症状が出るのは、この「肺」が司っている表層の部分で、発熱、悪寒、咳、喉痛、鼻水、目の充血は
ウイルスの侵入による最初の症状といってもいいでしょう。

ですからその侵入を防ぐために、まず必要なことは、

⑴「マスク」をすること。
呼吸をするときに、邪の侵入を防ぎます。
布マスクは紙マスクよりも繊維が荒いため、ウイルスの侵入を許してしまいますから、
布マスクをする場合は、内側にティッシュやあれば不織布を当ててあげることで
回避できます。

⑵手首足首首回りと背中を保護する。
各首回りには、外気が入り込む「入口」があり、
そこを露出すると容易に侵入を許してしまいます。
これから暖かくなりますが、もうしばらくは肌の露出を避けましょう。

⑶むやみに顔を触らない
ウイルスは様々な場所に付着し、死滅するまでにある程度の時間を要します。
色々なものに触れ、作業をする手は常にウイルスが付着しているといってもいいでしょう。
人は無意識に顔を触れることが多く、感染の原因の90%であることがわかっています。

☆次に守るべきはお腹

誰も免疫を持っていない今回の疫病は、身体の免疫力が頼りです。
免疫力を高めるには生まれながらに持つエネルギーと、
食べ物から生成する後天のエネルギーが交わる「脾」と言う機能を
高めることが不可欠です。

今回の疫病は胃腸症状を伴うことがあるため
胃腸に負担をかけずに過ごすことはとても大切でなことです。
ですから、今、冷たいものを飲んでお腹を冷やすのは言語道断。
また、テレワークや自宅待機で籠もっていると、ダラダラと食べて過ごしてしまいがち。
食べすぎの胃腸の負担というのは、身体を動かすことで相殺できたりしますから
適度な運動をすることはとても大切なことです。

前回もお話したように、外へ出て散歩したりジョギングもいいでしょう。
外に出ることが嫌ならば、ラジオ体操やストレッチ、ヨガなどもいいでしょう。

☆自分でお灸をして免疫力をさらに高める


そして今回オススメするプラスアルファは、お灸です。
お灸は身体を温めるだけでなく、皮膚に強い熱刺激を与えることで、
白血球の賦活を促します。
白血球の数が増えれば、それだけウイルスに抵抗する力となります。

台座のついたお灸や、艾をひねって作ったお灸はもちろんですが、
棒灸やペットボトル灸で広い面を温めることでも効果は得られます。
特にペットボトル灸は、ホット用のペットボトルにお湯を入れて行うので、
火も使わず子供から高齢者まで安全に行えますからオススメです。


ペットボトル灸


ホット専用のペットボトルに70〜80℃程度のお湯を入れて、ツボ付近に押し当てます。
80℃のお湯は、水:お湯=1:2で作れます。

押し当て方は、ツボの辺りにペットボトルを押し当て、熱いと思ったら離し、
また押し当てる・・・と言うことを3〜5回繰り返すだけ。



☆感染予防及び軽症者の治療のためのお灸



先の中医学ガイドラインに基づき、胃腸の機能を整え、免疫力を高めるとともに、
外邪を防御する肺=体表を強くするために以下のツボに施灸することをお勧めします。

●中脘(ちゅうかん):気の生まれるところ。脾を動かし全身に気を巡らせる。
●気海(きかい):脾を温め元気を補いながら上気した気を下ろす ex)のぼせ イライラ
●関元(かんげん):脾と腎を温め気血を動かし元気を補う ex)困憊 倦怠 虚弱




●内関(ないかん):肝気を激しく下ろす 
ex)アレルギー、花粉症、喘息発作 ヒステリー

●三陰交(さんいんこう):補血、肝脾腎に通じて補う 病が深く侵入するのを防ぐ






●合谷(ごうこく):肺大腸の要所 肺に関わる全てに関与する。真気を動かす。


これらの治療は、全て先手先手で打っていかないと効果がありません。
「なんとなくだるい」「鼻や喉がムズムズする」くらいのレベルで対応して欲しいです。
「病を治療する」のではなく「未病を治療する」ことが大切なのです。
早め早めの対策で、この疫病から身を守ってください。


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