春の不調を整える
3月になりました。
今年は春風がやってくるのが早くて、花も綻び、あちこちで梅や桃の花が満開です。
桜ももうすぐ咲きそうな予感。暖かな日差しに上着を脱ぎ捨てたくなりますが、
まだまだ朝晩は冷え込みますし、天候によって急に寒くなったりしますから、
うっかり薄着で出かけてしまうと大変です。
三寒四温を経て春になるのだと頭では理解できていても、これだけアップダウンが大きいと身体はとてもついていきません。
更に、新型コロナウイルスはまだまだ落ち着く気配もないのに、
花粉や黄砂などが早くからたくさん飛んで来ているので、
咳やくしゃみ、鼻水や目のかゆみに不安を感じているをかn人も多いでしょう。
春が来るのは嬉しいけれど、今以上に体調管理をしっかりすることが必要です。
☆春はデトックスの季節
暖かくなると木々が芽吹き、冬眠していた動物が穴から顔を出すように、
内に向かってエネルギーを貯めていた私たちの身体も、外に向かい活動を始めます。
新しいシーズンにを迎えるために、まず身体は、冬の間に溜まった毒素や老廃物を体外に排出して体内の大掃除を図ります。
この時一番活動するのは「肝」です。
「肝」の役割は、血を統括して栄養を身体中に分配するとともに、各機関の老廃物を集め、
解毒して体外へ排出を促し、血を綺麗にしてまた身体中に巡らせます。
ですから今、「肝」は大忙し。
余計な負担をかけてしまうと、うまく身体をデトックスすることができず、
新しいシーズンを健やかに活動することができません。
少しでも「肝」の負担を少なくするために大事なことは、
①夜、睡眠をしっかりとる。(肝は睡眠中に血を綺麗にして養うため)
②適度に身体を動かす。(血の巡りを助ける)
③ストレスを溜めない。(肝は我慢やストレスによって押さえつけられると、
血の巡りを妨げられるので色々な不具合を起こす。)
④暴飲暴食を避ける。(身体の中に入ってきたものは全て「肝」で解毒される)
春の食事はいつもより軽め。
一度の食事は腹7分目くらいで、食事と食事の間は空腹を感じるくらい間を空けるのが丁度いいです。
この時期の「肝」が喜ぶオススメ食材は、菜の花です。
今が旬の菜の花は、肝の解毒を助け、血の巡りを良くして
体内の老廃物を排出してくれます。
また、「肝」の働き自体を整え、イライラするのを和らげてくれる効果があります。
和がらしとポン酢で和えて「菜の花の辛子和え」にすれば、
辛みで身体も温め、酸味が気持ちをスッキリさせてくれます。
また、血を補うツナと、身体を滋養し、血を巡らせるゴマで作る
「ツナとゴマの菜の花和え」は、とても食べやすく、
子供も大人も喜ぶ美味しい春の養生食になりますよ。
☆春は「風邪」の季節
しかし、まだまだ北風と南風が入り乱れて吹くこの季節は、「風邪(フウジャ)」の季節。
うっかり吹いてくる風に当たっていると、「風邪」の侵入を許してしまいます。
東洋医学で「風邪」は、身体の中に侵入すると、中であちこち動き回って、
ひきつれや痛みを起こすと言われます。
また、固まっていた筋肉を急に動かすので、筋も張りやすくなりますから、
「風邪」の侵入を許してしまうと、弱くなっている箇所に痛みを引き起こしてしまいます。
寝違いやギックリ腰も多い季節ですから、
暖かくなっても、まだ首元、手首足首を露出して、風邪が肌を触らないように
服装を心がけましょう。
自転車に乗る人は、帽子を被るなどして直接風が当たらないように頭を守ってください。
もし、外に出ていて悪寒や突っ張るような痛みを感じたら、
首元やお腹を温めて、風邪を追い出しましょう。
☆おならやゲップは「気滞」
この時期は陽気や気圧の急激な変化に身体も変化についていけず
不具合を起こす人が急上昇です。イライラして怒りっぽくなったり、
ゲップやおならがよく出てしまう方いませんか?
これらの症状は「気滞」によるものです。
「気滞」とは、文字通り気の流れを阻害されて滞っていることで、
急激な変化に対応しようと、身体がちょっとしたパニックになっている状態です。
気血を巡らせる全身の回路を統括しているのは「肝」ですから、
ただでさえ大忙しの春に、更に負担がかかると、暴走して不具合を生じてしまいます。
「肝」が暴走すると胃腸にも影響するので、
ゲップやおならが頻繁に出てしまったり、便秘になったりするのです。
そのほかの症状としては、目の奥の痛みや頭痛や、
気持ちが不安定になったりすることもあります。
「肝」はとにかく抑え付けられることがとても苦手です。
できるだけ伸びやかになるように、深呼吸や適度な運動をして発散させましょう。
柑橘類やいちごの酸味は「気滞」を発散させ、気血を流してくれます。
食べるだけでなく、その甘酸っぱい香りにも同様の作用がありますから、
嗅ぐだけでも効果を得られます。
☆今の時期疲れが取れない人は
冬の間にエネルギーをしっかり貯めて置けなかった人です。
冬、身体は休息期となり、身体のメンテナンスをしていますが、
それとともにエネルギーの消耗を抑えて「腎」に蓄え、活動期の準備をしています。
それなのに、過度なストレスや活動をしてしまうと、
そのエネルギーを使ってしまうので、
いざ活動期になっても、エネルギー不足でうまく活動できません。
それどころか、エネルギーが足りないと、自分の身体を切り崩して使ってしまうので
髪の毛が抜けたり、骨がもろくなったりします。
ワカメやひじきなどの色の黒い食品を食べて、滋養しましょう。
忙しくてなかなかちゃんと食事ができない方は、
それらとご飯を混ぜておにぎりにするのもオススメです。
まだ春になり始めですから、まだ間に合います。
「腎」を滋養して、春本番までに身体を立て直しましょう。
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