免疫力を高めるための養生〜その1〜睡眠
蔓延防止が延長されて、まだまだ自粛を余儀なくされていますが、
時ばかりがどんどん進んで、気がつけば立春を超えました。
暦の上では春といわれても、連日の寒波到来で北風の冷たさに身を縮めます。
第6波のピークアウトは過ぎたといわれ、このまま下がり続けてくれることを祈りつつ、
免疫力を高めるための養生について考えるお話の続きです。
さて、最初にお話しするのは睡眠についてです。
日本人の平均睡眠時間は6時間30分。
「多いな」と感じる人も多いと思いますが、他の主要国の平均は8〜7時間で、
日本人は世界的にも有名なショートスリーパー民族です。
もちろん、長ければいいというわけではありませんが、
データによれば、健康上一番リスクが少ない睡眠時間は7時間だそうです。
年齢や体質など人それぞれ個人差がありますから、厳密に考えなくてもいいですが、
私たちはもう少し長く睡眠を取ることを考える必要がありそうです。
しかし、睡眠は時間を意識するだけでなく、「質」についても考えることが大切です。
睡眠は、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」が交互に繰り返します。
このリズムが崩れてしまうと、睡眠の質が下がることになり、
寝起きが悪かったり、疲れや倦怠感が残ってしまったり、不具合が生じます。
東洋医学では、「血は昼間全身を巡り、夜「肝」に戻り栄養を養う」と言われます。
睡眠時間は、身体や脳を休めて血流を減らして、
昼間、身体を巡って栄養を配分し老廃物を回収していた古い血を解毒し新たな栄養を養い、
それに同時進行で脳や身体も、その間、昼間の疲れや不具合をメンテナンスをしています。
このシステムは「体内時計」として身体に植え付けられていて、
それによって内臓の活性時間も細かく決まっています。
夜11〜12時は胆が活性化し、身体のメンテナンスをするホルモンが多く分泌されます。
午前1〜3時は肝が活性化され、身体中の血を集め、解毒養生します。
そしてだんだん覚醒への準備が始まり、
午前3時〜5時に肺が活性化し、浄化された血を全身に送ります。
昼間たくさん寝たとしても、活性化している器官が違うので、
夜のように養生することができず、昼間の睡眠は、夜の睡眠の半分しか作用されません。
うたた寝、昼寝、まとめ寝など、色々な睡眠方法はありますが、
質の良い睡眠を取るには、適度な時間とタイミングが大切なのです。
寝つきが悪い、よく眠れない、疲れが取れないなど、今の睡眠に不安のある人は、
夜、どんな風に過ごしているか振り返ってみましょう。
まず食事。
胃腸は中に食べたものが残っていると、寝ていても消化するまで消化活動を続け、
消化が終了してからメンテナンスシステムに切り替わります。
すると、血は肝に戻ることができず、胃腸の活動のために動くことになります。
また、夜更かししてPCやテレビ、スマホを見ていると、目や耳を通して脳を多大に刺激します。大量の血量が頭に集中するので、いざ寝ようとしても、その血液が肝に下がるまでは興奮が続いて「睡眠」に移行することができません。
特に、生理が始まったばかりの若い中高生や、生理が終わる前後の更年期の女性は、
いわゆる「血の道」といわれるホルモン群のバランスが不安定ですから、
夜布団に入っても目がぱっちりして眠れないと言う人が多くなります。
スマホが世に出てきてから、その便利さに依存している人はとても多いですが、
寝る前1時間くらいからスマホを遠ざけて、脳のクールダウンをしましょう。
お風呂にゆっくり浸かったり、ストレッチやヨガなどで身体をほぐすとさらに効果的です。
また「体内時計」は、元々は太陽の光の動きによって構築されていますから、
光があると脳は、基本的に活動時間と認識します。
現代のようにいつまでも光が灯っていると、その刺激で脳はいつまで経っても休めません。
布団に入ったら電気を消して休みましょう。
そして翌朝、起きたらまずカーテンを開けて太陽の光を浴びると、
睡眠から活動へスイッチが切り替わりますから、スッキリ目覚めることができます。
冬将軍が闊歩するこの時期は、急いで起きずに、布団の中でまず深呼吸をして気を巡らせ、
寝ている間に固まっていた身体をゆっくり動かし、血を巡らせてから起き上がりましょう。
そして、白湯をゆっくり飲むと胃腸が活動を始め、寝ている間に消耗した水分を補給して身体を潤します。
身体も脳にも優しい睡眠と起床をすれば、体内のシステムも正常に機能して、
外邪やストレスにも揺るぎない身体を作ることができます。
元気に楽しく生活するために、睡眠についてもう一度見直してみませんか?
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