春の土用にご注意

 


桜の花も散り、初夏を迎えるツツジが咲き始めました。

木々も緑が日に日に濃くなって、色鮮やかになってきました。

まだまだアップダウンの激しい陽気ですが、暖かい時は5月中旬の気温になって

春を飛び越え季節はもう次へ進もうとしています。

天気予報によると、向こう1か月の平均温度は

ここ10年に一度レベルの高温だそうで

早めの衣替えが必要になりそうです。

とはいえ、前回もお話しした通り、今年は暦的には地表が冷えているので、

基本は下半身の冷えを気をつけなくてはなりません。

暑いからといって無闇に薄着になったり、冷飲物を食べたりして

お腹を冷やさないことが大切です。


前回もお話ししましたが、

お腹が冷えるとエネルギーを全身に巡らせることができず、

下半身は冷たく上半身だけで熱を回す状況になるので、

体のバランスが崩れてきます。

今月16日からは春の土用が始まりますので、お腹が弱くなり、

さらに肝という血を巡らせる器官が弱くなってきますので、

風邪を引いたりすると治りにくくなります。


寒暖差や花粉症で、鼻や目の粘膜がアレルギーで過敏になっている人は

粘膜が弱くなっているので、風邪もひきやすく注意が必要です。


また、急に暖かくなったことで毛穴も開きがちです。

暖かくても急に冷たい風が吹いたりしますから

風を直接肌に当てないようにすることが大切です。

特に首周りと、胸、二の腕あたりに風が触ると咳が出やすくなります。


お腹が張って苦しい人や、お腹がチャポチャポするような人は

お腹が冷えている証拠です。

暑いからといって冷たいものを食べたりせず、おへそを温めてあげましょう。

小さなホッカイロでも、湯たんぽを当てるのもいいでしょう。


「土用」といえば、夏というのが定番ですが、

「土用」というのは季節の変わり目のことで、各季節の間の2週間を言います。体のバランスが崩れやすいのは春や秋の方で

今のこの時期をしっかり過ごさないと、夏の暑さに耐えられる体を作れません。


お腹を滋養するには、甘味であるお米や根菜などの炭水化物がいいのですが

前回もお話ししましたが、

この時期は特に気血の巡りをさせることがとても必要なので、

「苦味」も一緒に食事に取り入れましょう。

苦味は体内の熱を整え、利尿作用で水毒を防ぎ、解毒し、

神経の興奮を鎮める作用があります。


ただこの時期、

伸び盛りの緑の深い野菜は野菜自体の生命エネルギーが強くて

アレルギーのある人や体が消耗している人は強過ぎてしまうので、

他のもので代用するといいでしょう。


例えば、血流を促す酢と合わせてセロリの甘酢漬けや、

胃腸を滋養する鶏肉と合わせて、鶏むねとセロリの炒め物などがおすすめです。

ほかにもふきやたけのこ、アスパラガスや春キャベツなど春の野菜は

苦味と共に甘味もありますからお腹を滋養し、気血の通りをよくしてくれます。

また、皮に苦味のある夏みかんやゆずは胃を滋養してくれますから

ジャムにして、お茶したり、ヨーグルトに入れるのもいいでしょう。


ストレスがあったり、頭がぼーっとする人はコーヒーやココアの苦味も効果大。

しかし飲み過ぎはかえって胃を荒らしてしまうので注意して。


体調の不具合に、すぐ薬やサプリメントを求める人がいますが、

私たちの食事となる食材は、それぞれ旬と呼ばれる季節があり、

それを食することで、季節ごとの体調を整えられるよう

自然のサイクルができています。

食事は私たちが生きるためのエネルギーであり薬です。

ファストフードというもので簡単に食事を済ませ、

薬やサプリメントで体を整えるというのは本末転倒です。


土用という期間は、変わりゆく季節に体もついていこうとする時ですから

とても不安定になっています。

食事に少し意識を持って、今自分に何が必要なのか考えてみましょう。

自分に合った食事をしっかり摂ることがこの厳しい季節を乗り越える秘訣です。



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